小林元のレビュー一覧

  • 砂漠の反乱

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    [果たされぬ想いと]第一次世界大戦の対トルコ戦線で成果を挙げようとするイギリスが、アラビアの地に送り込んだ青年ロレンス。民族運動に火をつけダマスカスに入城を果たすまでの足跡を、ロレンス自らが記した回想録です。訳者は、中東調査会会長等の職を歴任した小林元。原題は、『Revolt in the Desert』。


    部族や氏族ごとにバラバラであった人々を、「アラブ」という大義の下に結集させていく過程が描かれており、現在読んでも非常に興味深い。大きな歴史の前にロレンスの小さな歴史が呑み込まれていきながらも悩みぬくところが、彼が今日でも多くの人を惹きつけてやまない理由なのかなと感じました。

    〜思えば

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    2016年08月20日
  • 砂漠の反乱

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『アラビアのロレンス』を読んだ時に、人間味が足りないと思ったが、本作はそれを見事に補っている。食べること、恐怖、虚しさ、暴力、そんな描写が物語にリアリティを添える。けれど、それにも関わらず、読んでいてどこかわくわくするのは、ロレンス自身がこの行軍をどこかロマンを伴う冒険として捉えていたことの表れだろう。ラクダが雪に埋まった際のエピソードの描写がすごく文学的。『アラブが見たアラビアのロレンス』『知恵の七柱』も読まなくては。あとトルコサイドの物語も。読めば読むほど、自分が何も知らないことに気が付かされる。

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    2017年06月16日