八木重吉のレビュー一覧

  • 永遠の詩08 八木重吉

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    フォロワーさんのレビューで知った詩集。

    うつくしいことばと、純粋さに、わたしの忘れかけていた何かが共鳴した、ような気がした。
    重吉の詩のことばを借りれば、「ほそいがらすがびいん」と鳴って、壊れるように。
    壊れた「がらす」は粉々になって、光にきらきらと反射してプリズムとなる。

    重吉の詩を読んで「びいん」と鳴ったひとは皆、そのうつくしさに惹かれるのだろう。

    重吉はずっと、かなしさを抱えてた。
    愛する妻と愛らしい子たちはいても。
    平安な日々を送っていたときも、詩では「はらにたまっていくかなしみ」と書いていたことを知って、後に妻の富美子さんは、『八木をひたしていた【かなしみ】とはなんだったのだろ

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    2023年10月20日
  • 永遠の詩08 八木重吉

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    書店で表題作に胸を突かれて購入した詩集。
    なんて美しくて悲しい詩なんだろう。
    それでも、日差しを受けてキラキラ光る雨粒や、降り注ぐ光、雲間からの青空が浮かび、光に満ちて神々しい。

    29歳でこの世を去った八木重吉。
    名前は重々しい響きだけれど、彼の紡ぎ出す言葉達は、コロコロと楽しげで、軽やかで、美しくも悲しい。
    可愛らしささえ感じる素直な目線と柔らかい文章、
    そして唯一無二の表現力に、貴方もきっと心打たれるはず。

    「果物」
    秋になると
    果物はなにもかも忘れてしまって
    うっとりと実ってゆくらしい

    うっとりと実るだなんて表現、他に誰が出来ようか。
    たっぷりと果汁を含んで甘く熟している様を思い浮

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    2022年09月29日
  • 永遠の詩08 八木重吉

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    ネタバレ

    八木重吉の名前を知ったのは最近なのですが、どこで知ったか忘れましたが(アンソロジーかなにか?)とにかく、この人の詩集をもっと読んでみたいと思わされました。
    それで、探したらこの『永遠の詩』のシリーズが一番入手しやすいとわかり、このシリーズを集めだしました。はじめに八木重吉ありきでした。
    とても透明感があって、とってもピュアで美しい詩ばかりでした。
    私のレビューより、ご存知ない方の為に、短い詩が多いので何篇かまとめてご紹介します。


    「素朴な家」
    この明るさのなかへ
    ひとつの素朴な琴をおけば
    秋の美しさに耐えかねて
    琴はしずかに鳴りいだすだろう

    <解説より>
    八木重吉の詩で一番好きな詩に「素

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    2019年11月10日
  • 永遠の詩08 八木重吉

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    ずんがつんと響くのではなく、じんわりとあたたかい水がさわさわ沁み入ってくるような、とても静かながらも溢れ出ることが出来る根にある強さを感じました。年を重ねるごとに意識して見えなくした感情や、無意識のうちに消してしまった想いという、スポンジみたくすかすかになってしまった私を潤すように、ゆっくり、ゆっくりと沁み入るんです。それこそが詩であり、言葉のあるべき姿だと私は思います。

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    2011年03月06日
  • 永遠の詩08 八木重吉

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    こんなにも心にしん、とひびく詩があるかと驚く。
    人は、限りない幸せの中にあってもどこか底の方では終わりのないさびしさと生きてる。
    さびしさだけが唯一本当の隣人。
    静かにせつなく、どこまでもやさしい詩。

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    2010年08月20日
  • 永遠の詩08 八木重吉

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    人形 という詩が好きだ
    桃子(娘)との何気ない日常が
    飾らない柔らかい言葉で書かれていて
    子育てしてるとそういう時に
    ニヤってしたくなる時あるよねって
    共感。

    若くして亡くなったせいか
    序盤からそこはかとなく漂う寂しさ。

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    2024年07月04日
  • 永遠の詩08 八木重吉

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    八木重吉さんの詩集ですね。
    「永遠の詩シリーズ」八巻目です。
    「永遠の詩シリーズ」はこの作品が最後です。思えば、詩へのいざないの出会いでした。
    全八巻、いずれも私には近しい詩人たちでした。詩集と言うとなんだか別の世界の言葉のように感じられていました。
    このシリーズの作品はわかりやすく、心に実にしみてきます。
    八木重吉さんの詩集は初めて読みましたが、軽やかでいて美しい響きがあります。
    短い言葉の中に、思いの丈をこめて解き放したかのようですね。自由律俳句のような簡略化の極みが感じられます。
    八木重吉さんの生涯が詩句の解説で寄せられていますが、小さな幸せをつかみながらも、若い身で病に倒れなければなら

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    2023年03月11日
  • 永遠の詩08 八木重吉

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    「かなしみ」というのは愛情に通じ、
    やさしさや美しさ、さみしさにも通じている。
    それを感じる1冊だった。

    作者は「かなしみ」を人間存在の原点としていた、
    と解説に書かれてあったけど、詩を書くってそういうことなのかもしれない。
    必ず死ぬことを義務づけられて生まれ、死ぬことを前提に生きる人間のかなしみ。
    自分も、大切な人も変わりゆくことを、いつか消えてなくなることをわきまえて、目の前のものを見つめている視線を感じた。

    「貫ぬく 光」と「虹」という詩がすき。

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    2018年12月02日
  • 永遠の詩08 八木重吉

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    男性詩人はなんとも儚げな印象の詩が多いですね。表紙の詩には思わずハッとするような透明感のある儚さがありました。冒頭に「こんな簡単な詩、自分にも書けると思った」みたいな前書きがありましたが、そういう前書きがあってなお、「なんでこれをもって詩としたんだろう?」と思うような短くてさらっと書いたようなサッパリした詩がたくさんありました。「えんぜるになりたい」という文句がありましたが、ほんとうに、「えんぜる」のように軽やかですね。わたしは宗教をもたないのですが、最後の詩には涙ぐんでしまいそうになりました。

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    2014年03月09日