山之口貘のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「永遠の詩」シリーズは、まだレビューにはまとめていませんが、全巻、既読です。その中でおそらく誰もが親しみを覚える詩を書いているのがこの「獏さん」こと山之口獏さんです。
社会のことを書いても、ユーモアと明るさがいつもあって、親しみやすい方です。
むずかしい語法の詩はひとつもありませんが、「たった一篇ぐらいの詩をつくるのに/100枚200枚だのと/原稿用紙を屑に」するほど推敲を重ねているそうです。
「ねずみ」
生死の生をほっぽり出して
ねずみが一匹浮彫みたいに
往来のまんなかにもりあがっていた
まもなくねずみはひらたくなった
いろんな
車輪が
すべって来ては
あいろんみたいにねずみをのした
ね -
Posted by ブクログ
山之口貘さんの詩集ですね。
永遠の詩シリーズの三冊目です。
貘さんの詩は、初めて読みました。そして驚きました。
日本人の詩は、どちらかと言うと内省的で何かしら暗い影があるものなのに、貘さんの詩は明るさとユーモアに溢れていて1903年生まれの人とは思えない斬新さを持っています。
ほのぼのとしているようにみえて、本質をついた鋭さがあり、スッキリとしたわかりやすい表現が魅力ですね。
解説の井川博年さんは語ります。
「貘さんの詩には、いまの日本の若者を惹き付ける魅力がある。貘さんの生き方に共感を覚える人も多いだろう。貘さんはいつも娘さんに語っていたという。『ほんとうの人間はそんなに多くないんだよ。僕は