佐光紀子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
翻訳家であり、ナチュラルクリーニングの提唱者でもある著者が、日本の家事労働のあり方や戦後70年以上経った今でも変わらない女性の社会的立場について、2016年に上智大学大学院での論文執筆にあたっての調査や海外の人脈との交流から得た情報を元に書いた一石を投じる意見書。
著者は凄い女性だと感服する。様々なデータから今につながる状況を導き出す。
戦前の日本では、「女性は人間以下だった」という本の最後に出てくる一文は衝撃的(もちろん根拠がある)。
どんなに時代が進んでも、日本に於ける女性の立場が向上しないのは、やはり教育に根本原因があるのだと思う。また、政治、国家公務員など、国を動かす機関に占める女 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ勉強になった。
お疲れ様は確か英語では上手く訳せなかった気がする。日本語独特の他者境界線とかもろもろ曖昧な言語の問題もなんとなくある気がした。
「ちょっと待って」ででも、英語だとwait a minuteとか時間が提示されるような気がするし、大抵その後会話がアイI始まりで来るからより具体的になりやすい言語なのかも。
「夕食どうする?」も英語だと、何食べたい?what do you wanna eat tonight?になる気がするし、感じというかニュアンスが違いすぎる。
what's for dinner?は具合悪い寝込み時に聞くのはさすがにDVみ強くて意味 -
Posted by ブクログ
だいぶ前に買ったのに未読だったのでこの機会に読んでみた。著者はナチュラルクリーニングをはじめ、お掃除講座などを展開されている方で翻訳家でもあるそう。
そんな方が「(日本人女性は)家事のしすぎ」という内容の本を書かれることが興味深い。むしろ「もっときれいに!もっと自然で丁寧に!」みたいな方向性になりそうなものなのに。
家事、育児をはじめ女性たちが無償労働に押し込められては家族や子供の問題を一身に担わされ、多くの責任を持たされ、有形無形のプレッシャーに囲まれてきたかをさまざまなデータや調査によって明らかにしていく前半は筆致が鋭く快刀乱麻という趣き。そうはならないようになりたいと思いつつ日本に生ま -
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ネタバレ日本の家事の当たり前は海外の人の目にはどう映るのか、なぜ日本では男性の家事参加が進まないのか。他国に比べ、日本に広く浸透しているように見える「良い母、良い家庭」「ちゃんと家事」プレッシャー。それらにはきちんと理由があった。
第1部は海外と日本の比較データがたくさんあり、内容にも目から鱗だったり、そうそう!よく言ってくれた!と共感できたりとても充実した内容でした。
一度に読みきれないで、第2部を日をあけて読み進めたら、あれ?これは同じ本ですか?!と思うくらい、第1部と第2部で雰囲気がガラッと変わります。
第1部の内容に励まされ、同意しかない!と強く思いすぎてか、第2部はいらないなとすら感じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ当たり前だ、と思っていたことがそうじゃない、ってことがワサワサ書かれている。
外国の朝食のシンプルさや、屋台や外食への依存の高さ。
毎回食器なんて洗わなくていいこと。
かつての日本でも、いちいち温かいご飯は食べていなかったり、食器は各自が食後湯ですすいでしまうだけだったこと。
政府の戦略(?)で、女性が育児も家事も無償で担うよう仕向けられていたこと。
後半の「断捨離」については特に感想はないが、日本全体、特に女性自身の思い込みが自分の首を締めている、と言うことに気づいた。
ほんっとに日本人、とくに母親たちは真面目でエラかった。 -
Posted by ブクログ
著者は重曹やクエン酸を使う掃除法などを紹介しているので、いわゆる有能な主婦礼讃の立場の人だと誤解していた。
家事の出来ない女性は恥、一汁三菜手作り、いつも気配り目配り、子供の頃から刷り込まれた意識を私もこの頃捨てつつある。家事をアウトソーシングしたって良いではないか、そんなアドバイスをくれたのは夫である。家事育児でワンオペしてきた妻だと定年になってようやく知って、反省しているとは本人の弁。今は洗濯と掃除、そして食事の後片付け担当。不足だと感じることも多々あるのだが、逆に私の不満が昔からの刷り込みに拠るものだと考えさせられた。根深い偏見を少しずつでも変えて行けたらと思う。