本田良一のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
現在、生活保護受給者は全国平均で八〇人に一人。
雇用、教育、年金制度など社会のさまざまな矛盾が貧困の連鎖を生み、厳しさを増す地方財政がその困難な生活に拍車をかける。
しかし今、生活保護こそを貧困から抜け出すステップにしようとの動きが生まれている。
自立プログラムの「先進地」釧路など数多くの例を引きながら、経済偏重に陥らない、本来の自立とは何かを問い、貧困をなくすために何が必要かを探る。
[ 目次 ]
第1章 生活保護とは何か
第2章 母子家庭と貧困の連鎖
第3章 こぼれ落ちる人々
第4章 格差と貧困
第5章 負担ではなく投資
第6章 自立支援プログラム
第7章 どう改革するか
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Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
イワシが獲れなくなった。
全国水揚げ量はピーク時の一六〇分の一となり、すでに私たちにとって身近な魚とは言えなくなりつつある。
一方で、サンマは豊漁が続いている。
なぜこのようなことが起こるのか。
本書は、一九九〇年代以降、定説となった「レジーム・シフト」による魚種交代という考え方をわかりやすく説明し、水産行政や地元産業への影響を通して、人類の共有財産である水産資源をどう守っていくかを考える。
[ 目次 ]
プロローグ レジーム・シフトの誕生
第1章 マイワシの巻
第2章 マサバの巻
第3章 アンコウの巻
第4章 スケソウの巻
第5章 サンマの巻
第6章 水産庁の巻
第7章 人間 -
Posted by ブクログ
自分もケガなどして働けなくなれば、すぐ同じ境遇になり得るとは思うのだけれど、どうも私は「生活保護」に対して厳しい見方をしてしまう。「貧困は自己責任か?」との問いかけにも、「自分は高校時代、とにかく国立に入らなきゃ大学に行かせてもらえないと思って必死で勉強してきたから」という自分経験主義に陥ってしまう。そういう問題じゃなくて、親の貧困が低学歴を生み、低賃金、失業を再生産するのだという筆者の分析も頭では理解できるけど、スタートのところの「親の貧困」のそのまた原因はなんだよ?って言い逃れ思考になってしまう。
ただ、僕が大学生の頃(1980年代)は、国立大学の学費は確かに安くて「親の貧困」を「高学歴」 -
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本書は、釧路市の生活保護の実態を赤裸々に描いている。その迫力ある事例は、現代日本の貧困をあますところなくあばいていると感じた。
全国的に貧困家庭が増える中、生活保護費は、どこの自治体でも増え続けている。地方財政が苦しい中、生活保護申請をさせない、いわゆる「水際作戦」や受給者に辞退を強要する「硫黄島作戦」があるという。思わず言葉を失う思いがした。
「貧困の連鎖」という実態を紹介している。貧困が親から子へ受け継がれる実態には、暗然たる思いがした。「学歴の高い親はおおむね比較的恵まれた年収の仕事に就き、経済的に余裕があるので子どもによい環境を与え…その結果子どもは高学歴になり、いい仕事に就く」 -
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乱獲とレジームシフトの双方から、漁業資源の保存管理を考える。
結構いろいろな水産学者の意見が分かって面白いのと、水産庁の政策に関して章を割いてるのがありがたいかな。
以下は本論とはあまり関係ないけど。
政治や業界団体の圧力に対する批判はわかる。
でもそういうのも込みで「民主主義」なんだから(民主主義の問題点ともいうべきところかもしれないが)、「漁業管理は科学と民主主義の問題だから」といってそういうものを排除しようというのもなんか…民主主義的じゃない気がしてしまうのですけど。
ところで本当に「焼き魚は嫌いな子供たちも、寿司は大好き」なのかな?