谷充代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1980年代半ばから2000年代まで高倉健をめぐって様々な取材活動をする。また、三浦綾子、白洲正子の取材もして、この本にその内容も書かれている。
30年間「山本周五郎の本、手に入らないか」と言われて、「健さんの図書係」を務めた谷充代の目線からその高倉健の生き様を描く。高倉健には「生き様」という言葉が似合う。
日本の男性俳優としては、聳り立つ俳優だ。日本人に生まれてよかったと高倉健であるが、日本の男はこうあるべきだという手本でもあった。厳しさの中の優しさ、寡黙さに秘めた熱情、どこまでも誠実で真摯、その上謙虚である。男の人間像を凝縮した男だった。
高倉健は「読んだ活字が芝居に出る」という。 -
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ごまめさんの本棚から
高倉健さんの図書係を自認する編集者の谷充代さんが綴る高倉健さんにまつわる12冊の本とエピソード
そして健さんのきりりとした言葉の数々
はふ〜、やっぱり健さんかっこいいわ〜
なんていうか、まっすぐで濁りがないのよね
このレビューを書くにあたって高倉健さんを表現する”言葉”は何がいいかな〜ってちょっと考えたんだけど、「濁りがない」って我ながらなかなかよろしいんじゃないでしょうか
「不器用な男」を継ぐものとしては、登場した本も読んでみたいな〜と思いましたよ
以下メモ
・山本周五郎『樅ノ木は残った』
・三浦綾子『母』
・檀一雄『火宅の人』
・白洲正子『夕顔』
・五木寛之『 -
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Posted by ブクログ
高倉健が おくった 言葉。
冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐え
激せず、騒がず、競わず、従わず
もって 大事をなすべし。
いやー。この言葉は スゴイのだ。
心頭滅却すれば火あつからずの心境なんでしょうね。
『冷に耐えず、苦に耐えず、煩に耐えず、閑に耐えず、
激して、騒いで、競そって、従わず。
もって 小事をなすこともできない。』
高倉健インタビューの 野地秩嘉と重なるところがあり、
それよりも 近い存在にある 著者が、
高倉健の息づかいと気づかいを伝える。
高倉健のようには 生きられない。
ということが、よくわかったのだ。
しかし、私も『一生懸命な人が好きです。』 -
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健さんがお亡くなりになってから、特集のように放映される古い映画を何本か見た。
私の尊敬する方々が、健さんの佇まいなどすべてにおいて賞賛されているということもあった。「男が惚れる男」とでも言ったらいいだろうか。
耐えに耐え、忍びに忍んで、もう限界だというたころで、闘いに臨む姿は、本当にかっこよかった。
この本の筆者は相当、健さんに信頼されていたようだ。いろいろなところに出向き、いろいろな話を聞いている。そして、その人となりが綴られている。健さんは、映画の中だけでなく、すごい人だったんだなと思う。自分をとことん律する人だったのだ。そして、人に対しての心配りがすごすぎる。誰もが「この人のためなら」 -