大城道則のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
先日読んだ「古代文字に〜」より前に出ていた本書。知らなかった。
①古代エジプト学者(1968年生まれ)
②中国殷周学者(1982年生まれ)
③南米ペルー学者(1972年生まれ)
三人のエッセイに共通しているのは、海外での考古学調査がいかに大変かがひしひしと伝わって来るところ。手続き上の困難もあるけれど、国によっては政治的な思惑や人間関係に振り回されている様子が垣間見える(現役研究者なので、言葉を濁してるのは仕方ない)
それ以外の共通点は“食”と“トイレ”だが、ここの部分の“怖しい話”は読んでもらうしかない。想像するだけでコワい!
とりあえず、「何でも食えるような度胸を持ってないオレは、海外での研究•調査に向いてない」という事がよくわかりました(笑) -
Posted by ブクログ
古代文字に魅せられた3人の研究者のエッセイ集。読みやすいしとても面白い。
①比較言語学者(1994年生まれ)
②古代エジプト学者(1968年生まれ)
③フェニキア学者(1983年生まれ)
…のお三方で、年齢も学歴もバラバラ。だが、三人ともきちんと地に足が着いており、浮世離れした“研究バカ”にはなっていない。だから安心して読めるし、感心する提言も多い。一芸を極めようと努力した結果、世の中が俯瞰的に見られる人物に昇華した…ってことがわかる。(先日読んだカモシカ研究者とはまるで逆)
内容はエッセイなので、本人の専門分野の核心的な難しい話などはほぼ無い。むしろ、『如何にして研究者になったか』という部分が大部分を占めていて、そこが面白い。これから研究者を目指す…なんて人にはうってつけの本だと思う。
【余談】
三人は年齢も研究者になった時期も経緯も全く違うけど、共通して勧めているのは言語習得における、
“手書きで覚えることの重要性”
だった。
やはり、これだけは学校教育から絶対に無くしてはいけないものなのだと感じた。 -
Posted by ブクログ
筆者が、2週間クリーニング作業をしていた遺骨ががこれまでになく妙に色っぽく見えてしまった。骨が怖いと感じていたのに艶めかしく見えるなんて!と驚いた。しかし、この感情に囚われることは死者に魅入られてしまうと恐ろしくなり、そのことを考えないようにした。
筆者はそう感じるのはこの骨が女性の遺骨だったからと考えた。そしてやはり、後に女性の骨と判明した。
なんとなく、筆者がその遺骨をクリーニングするために寄り添ってたからそうなったのかなって思った。
死者に魅入られるなんてことが本当にあるんだと感じさせれられた。不思議な直感はあるものだと思い面白い。洒落怖みたい。 -
Posted by ブクログ
3人の考古学者が語る、忙し過ぎる日々のエッセイ。
大学での教員としての多忙さ。
その合間を縫って現地へ訪れてからの多忙さ。
でも研究は過酷でも、楽しさと喜びに満ちていた。
・はじめに
・エジプト考古学者の多忙すぎる日常 大城道則
・中国考古学者の多忙すぎる日常 角道亮介
・メキシコ・中米マヤ文明考古学者の多忙すぎる日常 青山和夫
・おわりに――三大陸周掘り記
「考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった」の続刊?
前作では、調査と冒険、面白いと怖いは表裏の関係だったが、
こちらでは“多忙”がテーマで語られている。
大城氏は、大学教員という生業での多忙さを嘆く。
会議に次ぐ会議の多さやイベント。その合間を縫っての
エジプト弾丸ツアー。それでもエジプト行きの多忙さは、
喜々として楽しんでる感がある。
角道氏は、書き出しで自分の専攻の学生を連れての
調査の多忙さを語る。これってツアコンじゃん。
次いで、留学した北京大学での5ヵ月発掘実習のシビアさ。
青山氏は、自分の歩みが中心。
青年海外協力隊の考古学隊員を皮切りに、
ホンジュラス、グアテマラ、アメリカの大学院へ留学、
メキシコ、そして日本と、マヤ文明の石器分析に長い年月を
費やす。分析が多忙で発掘できないと嘆くが、
分析自体には喜々として励む。しかも現地で結婚しちゃうし。
最後の方には日本での大学業務の多忙さと、研究費獲得の
苦労が語られている。
各人共、国情、言語、風習、治安と犯罪等々、
現地ならではの様々な事も多忙の一端となっています。
如何に多忙であれども、青山氏の座右の銘の情熱・愛・希望・
根性は、研究に身を置くものに当てはまるのだと、しみじみ。
加えて、コミュニケーション能力と人脈も大事。
そして、どんなに多忙でしんどく、ラクダや毒蛇、マダニや
蚊に悩まされようとも頑張り、地元の食を満喫する
身体能力とメンタルの高さも、驚かされました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエジプト・シリア、中国、ペルー、それぞれの地域のエキスパート(考古学者)である著者3人によって書かれた体験記。
『考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった話』というタイトルがまず秀逸すぎる。
遺跡を発掘したら、一体どんな怖い目に遭うというのか?
ワクワクした。
超常現象的なものや、心霊的な恐怖体験を想像し期待して読んだ人もいるかもしれないけれど、そのあたりはちょっとだけ。
ペルーの発掘調査に不思議な話が少し出てくるくらい。
印象的なのは食文化の話(3編とも)と、中国のトイレ事情、ペルーのイメージ通りな酒と音楽と情熱と政治の話。
食文化や慣習、生活環境や価値観などの話は、ひょっとしたら発掘現場に関わらずとも、ちょっとディープなバックパッカーの体験談でも知れることなのかもしれない。
だけど、現地でのそういった一般的な話の合間に表れる発掘現場での話は面白かった。実際の発掘作業の流れや体験を、脳内で思いっきり映像化して想像してみるのはめちゃくちゃ楽しい。
ぶっちゃけ、全然足りない!
もっと読みたかった。発掘現場ならではの話を。
書けない話もたくさんあるのだろうとは思うけれど。
あと不満な点としては、ボリュームの配分がおかしいこと。中国、短っ!!
愉しくするする読んでいたら、あっという間に終わってしまった。
書けないことが多いのだろうか?
それとも他に何か理由が?
続編を希望します。
若者ではなく、大城先生や芝田先生と同世代で若い頃考古学者に憧れたおばちゃんですけど。
まだまだ読みたいです。 -
Posted by ブクログ
昔、学芸員の資格を取るために、某民俗博物館で実習し、ほんのちょっぴりですが、発掘のお手伝いをしたことあります。
で、全然向いてないと実感した。根気と情熱がないと無理だと思った。その両方とも全く持ち合わせていなかった。
この本を読むと、著者3人ともから、考古学への愛と情熱と無償の思い、学問への敬意、先人への深い感謝などがびんびん伝わってきた。それらすべて、なんだか尊いと思った。
そしておもしろかった。実に良書です。
でも、全然怖くなかった。
もっとオカルトめいたものを期待していたので、そこは残念だった。しかし、超がつく怖がりで、怖い話を読むといつも涙目になって読んだことを後悔するくせに、あんまり怖くない時はガッカリするってのはどういうことなんだろう。自分でも不思議。
ペルーが一番おもしろかった。
ペルーには女性考古学者が多いとは、意外な事実。
そして、ペルーの考古学界の裏事情、政治についての話は大変に興味深かった。貴重な読み物ではないでしょうか。なかなか簡単には出てこない話だと思う。