筒井賢治のレビュー一覧
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ネタバレ古代地中海世界に誕生し時のキリスト教正統多数派教会とも並び立った「異端思想」、キリスト教グノーシスについて概説した書。同思想が勃興した紀元2世紀という時代に焦点を絞りつつ、代表的な思想家(教師)である(ウァレンティノス派の)プトレマイオス、バシレイデース、マルキオンの教説を取り上げ、彼らの思想を考察する。
本書は、神秘思想の一つであるグノーシス主義の中でも「紀元2世紀のキリスト教グノーシス」を解説したものである。五賢帝治世下にて宗教・哲学の大衆化が進んだ時代、まさにその時代にこそキリスト教グノーシスは盛期を迎え、後にグノーシス主義を代表する著名な教師たちを生み出していた。即ち、擬人(神)化され -
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聖書研究の一分野としての解説。どうしてもオカルトの側面で語られてしまうグノーシスについて、本当はどのようなものであるのかを丁寧に解説している。初めて知ったのだが、グノーシスといっても大きく3つの流れがあり、さらにそれぞれが全く異なったものであるという。またそれがグノーシスの研究の難しさにもつながるという。そもそもがグノーシス派側の文献がほとんど残っておらず、残っている文献も批判側(体制側)の批判や批判のために引用されたものである。批判する側は考え方の違いに関係なくグノーシス的であることだけで批判し、それを受けてのグノーシス再評価も体制に対する反発が意識的、無意識的問わず加わることでグノーシス
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何も知らない人向けグノーシスの入門書。とても読みやすかった。他の本でグノーシスについて触れてあっても分かりにくくてつかめない印象だったけど、世界観や系譜などについてさっくりまとめてあって参考になった。至高神とアイオーンの成り立ち、救済のロジックはこんな話だったのか…とようやく納得。
矛盾のある箇所、研究の進んでいないところ、現状存在する資料のカバーできる範囲についてや、よくわからない部分…とかも率直にはっきり書いてあって、主流の見解・著者の意見を明確にしているのも非常に好印象だった。さらにステップアップの参考文献も完備で嬉しい!
難解な部分は省いていると言うけれど、むしろそんなところも含めても -
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再読。
「グノーシス」という、魅力的ながらも曖昧模糊としてとらえがたいテーマを手堅く解説した良書です。
紀元二世紀のキリスト教グノーシスにテーマを絞っているため、論点がはっきりしており非常にわかりやすい。グノーシス思想といえばデミウルゴス、ソフィア、アイオーン、ナグ・ハマディ写本などのキーワードが有名ですが、それらについても図表を交えて解説してくれます。選書ならではの簡にして要を得た一冊といえましょう。
グノーシス思想が持つ世界像についての説明もわかりやすい。至高神ーアイオーンーソフィアーデミウルゴスー世界ー人類という、今となってはフィクションにおいても多く使われる世界観を大まかにつかむこ -
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僕は仏教が好きでとある本を読んでいた時に浄土真宗は景教の影響を受けているというのを読んで、さらにその後に景教がキリスト教ネストリウス派というキリスト教グノーシスの一派だと知った。
それがグノーシスに興味を持ったきっかけ。
キリスト教についてはほとんど一般的な知識しかないのであまり難しいと困ると思って本書を開いたわけだが、わかりやすくて助かった。
一般向け入門書である本書を読んだ現時点での僕のグノーシス主義の人たちに対する印象はこんな感じ。
彼らは本筋のキリスト教徒たちがいちいちつっこもうとしなかった聖書のあいまいな部分を詳らかにしようとしたり、矛盾していると思われる部分になんとか整合性