再読。
「グノーシス」という、魅力的ながらも曖昧模糊としてとらえがたいテーマを手堅く解説した良書です。
紀元二世紀のキリスト教グノーシスにテーマを絞っているため、論点がはっきりしており非常にわかりやすい。グノーシス思想といえばデミウルゴス、ソフィア、アイオーン、ナグ・ハマディ写本などのキーワードが
...続きを読む有名ですが、それらについても図表を交えて解説してくれます。選書ならではの簡にして要を得た一冊といえましょう。
グノーシス思想が持つ世界像についての説明もわかりやすい。至高神ーアイオーンーソフィアーデミウルゴスー世界ー人類という、今となってはフィクションにおいても多く使われる世界観を大まかにつかむことが出来ます。その意味で創作を好む方々にもお勧め出来るかと。
お値段もサイズも手頃な一冊。是非どうぞ。