山口浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そもそもが駒澤大学のゼミの2020年度の研究テーマ「就活メディアは何を伝えてきたか」で学生たちが調べ、議論した結果から生まれた本です。先ずは著者の山口浩ゼミが属しているグローバル・メディア・スタディーズ学部というカタカナ学部にびっくり!従来の社会学部では収まらない学問なのでしょうか…実際、毎年メディアに関連するテーマを決めて書籍を作り、コミケで売るという活動もアクティブラーニング的な新しさを感じます。そして学生の調査し、議論するテーマとしての就活メディアはこれ以上ないような自分事な対象だと思います。第3章の就活メディア小史では自分の就活時代も思い出され、このテーマの胸苦しい気持ちが蘇りました。やっぱり高校と大学の接続以上に大学と会社の接続は難しいものがあるような気がします。そしてそれは明治以来ずっと変わっていないことも見て取れます。そういう意味で就活をビジネスチャンスと捉えたリクルートという会社の起こしたイノベーションはすごいものがあります。就活についての学生側の胸苦しさは、雇用する側と雇用される側の情報の非対称性から生まれるものであり、それは本来の意味でのジョブ型にならないと、そして、そうなるためには教育自体が変わらないと厳しそう。でも、最終章で述べられる明治以来の「一貫した矛盾」である会社側の「大学の勉強は役に立たない」という上から目線も大問題。就活教育ではなくキャリア教育を、という結語は緊急の問題だと思います。大学生と作ったとてもいい本と認識していますが、一点、タイミングでコロナ禍での就活にも触れて欲しかった…はのぞみ過ぎ?