秋山千佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
重い内容だった。
性加害は“心の殺人”と呼ばれる。被害者はたった一度の被害でも心をずたずたにされるのに、信頼すべき実の親や教師に幼い子供が繰り返し性虐待を受けることの残酷さ。子供は家庭や学校しか行く場所がない中で、日々を鬼畜に支配され、心を殺され続ける。
そして自死を選ぶ者も。サバイバーとなっても、何十年か後にPTSDを発症することもあるという。
本書の告発者の場合、警察や周りの大人に何度も訴えても誰も本気で取り合わず守ってもらえなかった。子供の絶望を思うと泣けてくる。
男子の性被害がやっと女子と同列に扱われるようになりつつあることは一つの前進と言える。
それでも、裁判に訴えることへのハードル -
Posted by ブクログ
東大女子が在学中や卒業後にぶち当たったさまざまな困難が紹介されていた。全体としての感想は、東大には世間では一昔前と思われるような思想や考えが深く根づいていると思った。東大女子お断りのサークルがあったり、東大生同士の結婚でも妻は仕事を辞めるものだ・あるいは働きながら家事もするべきだと考える人もいたりとSNSで発言したら炎上しそうなものがたくさんあり、驚きだった。日本一の大学の考えがこれじゃあ中々世の中も変わりにくいよな、とも思った。
そんな中でも自分に合う生き方を模索し、生き生きとしている東大女子の姿を読んで、とても勇気をもらえた。困難にぶち当たっても折れるだけでなく、自分の居場所を探せるレジ -
Posted by ブクログ
早稲田出身、朝日からフリージャーナリストになった秋山千佳さんのインタビュー録。競争社会を勝ち残った東大なのに、自己肯定が低い、計画性が高すぎて強調できる人がいない。いまや東大は海外大学の滑り止めになってきている。インカレサークルに呼ばれない東大女子(東大男子文三)といった意外な側面が描かれる。このハゲで有名な豊田真由子氏はセクハラを勝ち上がって周りの環境に過剰反応してきた人だという人物像は意外な気がした。上野千鶴子氏による東大入学式の式辞が有名であるが、その中でも言われた通り、結局のところ女子が東大に入る最大の利点は選択肢を増やす、そういうわかりやすいところにあるべきだと思う。