2015年5月24日初版。
前半に当事者たちの3つのケースが語られ、後半は法制度の在り方について著されている。本書の中で語られる大学院教授の言葉「体が変わってきているのに、既製の服を無理やり合わせようとしている状態」が分かりやすい。過去の民法は制定当時の人たちが可能な範囲でつくられたものであり、成り
...続きを読む立ち自体はとても興味深かったし、当時の人たちの知恵には感服。でも、結局は過去のものであることを忘れてはいけないし、過去のものは常に更新されていく必要がある。裁判においては裁判官自身の思いがどうであれ、既存の法の解釈を超えた判決は出来ないため、やはり根本を変える必要がある。というか、嫡出推定って推定だったのかと。みなしだと思ってた(ならなおさら、時代錯誤な推定にこだわる理由が分からない)せめて例外規定、特別法でも作れば良いのにと思ってしまう。反対派の意見についても本著の中で記載されていたが、法体制や既存の家族制度崩壊の点についてしか記載がなく、もっと実務的な反対要素はないのかと(結婚詐欺や戸籍偽造、パスポート偽造等に利用されるとか。単に著者が記載しなかっただけ?)という疑問が一点。
※2021年2月には審議会にて嫡出推定に関する法改正の試案のとりまとめが行われたようなので、2015年以降少しずつではあるが動きつつはあるみたい。