杉浦宣彦のレビュー一覧

  • JAが変われば日本の農業は強くなる

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    2015年の「JAグループの自主改革に関する有識者会議」座長の杉浦宣彦さんが、JA(農協)改革の背景と課題を多角的に分析されており、私のようなJA素人にはたいへん勉強になりました。JA全中に対して①日本農業の方向性を集約できる独立機関として生まれ変わる必要がある、②業務監査のレベルでしっかり各JAをモニタリングしていく必要がある、③農地にかかるデータベースの構築して農地の流通を促す、という役割を担うべきと提言されています。

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    2025年08月09日
  • JAが変われば日本の農業は強くなる

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    農協改革について、その要点およびより良い農協の在り方を示した本。

    第1章と第2章では、全国から各市町村の地域単位にまで及ぶJAグループの組織形態やJAの成り立ち、活動理念などについて、わかりやすい言葉でまとめられています。私はJAについて浅くしか知らなかったので、勉強になりました。

    特に勉強になったのは、減反政策と米の生産調整等についてで、なぜJAがそういった政策の主導を担ってきたのかを、歴史を追って解説されています。

    本書は2015年発刊ですが、2025年現在の米不足と価格高騰の時代に読むと、理解がしやすく面白い。ただ、本書の中で減反政策は終了すべきであることや、日本産米の高い競争力に

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    2025年08月13日
  • JAが変われば日本の農業は強くなる

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    日本の農業政策の変遷や現状を知るための良書です。本書では、JAが設立された経緯、JAの業務内容などについて説明されています。

    ①JAとは何か
    小規模農家を主な支援として、農家が農機を購入する際の資金援助や販売販路の確保をしている

    ②営農事業よりも信用事業の売り上げが大きい
    全国の単協のうち約6割は黒字経営で、そうした単協の大半が信用事業で利益を上げている。信用事業で利益を上げているパターンである。地方や郊外では金融サービスが行き届いていないために、地域の人はJAをメインバンクとして活用している。また、ゆうちょ銀行はローンや貸し出しを行っていないために、JAが地方の人の拠り所となっている。

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    2017年04月09日
  • JAが変われば日本の農業は強くなる

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    抵抗勢力、敵の如く扱われるJAを捉え直すに十分な一冊。
    (1)米作だと収入はある程度安定するけれど他の作物ならの収入は不安定という現実が米作からの転換が進まなかった最大の要因です。
    (2)694ある単協のうち、黒字化は6割。JAの信用事業は地域に根ざした小回りの効くサービスを提供しており、コーポレィティブバンクに近い。
    (3)JA全中や全農が価格を決定している部分は全農作物の40%。米に限ると20数%。
    (4)日本の食料自給率は2014年度カロリーベースで39%。減反による麦、大豆、飼料作物への転換は4%自給率の向上に繋がった。

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    2016年03月20日