千本木啓文のレビュー一覧
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実在するかどうかわかりませんが、まことしやかに噂される、戦後の政界で活躍されたある女性のお話です。
一部、架空の名前を使っている方もいますが、実在する政治家の名前も多く出てきて、戦争前後の日本を良くするために奮闘する政治が表現されています。
政治と聞くと、今や悪い印象を持ちがちですが、本当に日本のために、と粉骨砕身してくれた人がいたから、今の日本があると感じましたし、一種の感謝と尊敬を抱きました。
そして、よく政治が小説やドラマ、ニュースで取り沙汰されるほど奥深く、面白いと言っていいか語弊があるかもしれませんが、エンタメ心をくすぐるものだとも思いました。
政治を監視するという点で、我々国民も政治に興味を持つべきでしょうけど、入口としてエンタメでも構わないので、目を向けるきっかけになると嬉しいですね。
今の時代、政治家や自分自身(一般人です笑)も含めて、野望を抱き、権力やお金に目もくれず努力し続けることができる人がどれほどいるか…時代背景も影響するでしょうけど、数えるほどなのだろうなと思います。 -
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ネタバレ【昭和の女帝】 千本木 啓文 著
知人に「さくっと読めるよ」と薦められたのですが、戦前から田中角栄が亡くなるまでのまさに帯にある「自民党の裏面史」。
ホステスから政治家秘書となり、女性フィクサーとなって影で政治を操った実在の辻トシ子(小説では真木レイ子)の小説。辻トシ子もその活動なども全く知りませんでした。田中角栄(加山鋭達)、佐藤昭(小林亜紀)、児玉誉士夫(鬼頭紘太)といった角栄人脈は別名で書かれていますが、その他はほぼ実名。週刊誌はほぼ読まないので、こうして輩どもが裏でうごめいていたのかと、新たな発見でした。
昭和って、欲と利権にまみれ、いまでは絶対アウトの「不適切」な時代ではあったけど、エネルギーだけはあったなと妙に懐古した一冊です。 -
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ネタバレ社会党に近い部落解放同盟との付き合いある運動
中川がたどりついたのが契約書一枚で金を動かせる貸金業や不動産
三野勝一に弟子入り成功するも(経営難に陥った企業を整理、売却)
畜産酪農へ転身、八木の農協の組合長へ
農協の経営立て直し(リストラ、農協の合併吸収)イエスマンだけ残す→農家の農業離れ京都府の農業の衰退→非農家への金融事業への依存を高める
本業の農業事業をおろそかにすることへの警鐘は鳴らすも、JA京都は弱体化していた
幼少期動物との対話で人を見る目を養う
この胡蝶蘭にどう返事するか、つまり中川との距離感をどう取るかが県の農協中央会会長になりたての農協リーダーたちの試金石となる
中川と親しくなる道を選ぶと盆暮れに特産品の贈答がはじまる、トラブル処理で中川の力をかりると、次のステップ、頭が上がらなくなる。
承認案件への同意をギリギリ認めることで幹部職員に貸しをつくり懐柔していく
ja全農が他社との資本提携を進めるために中川からの承認がハードル、中川が会いに来いという、アポ取りにも頭を下げる
上下関係ができあがる
手下になるとおいしい仕事をまわす、
jaグループの旅行代理店観光農協にフランス・パリ晩餐会の手配など
農協職員が共済ノルマ達成を強いられ
得られた利益はja共済連が吸い上げる
jaグループ全国組織至上主義の収益構造も温存された
野中は中川が貸金不動産を始めた、際どい商売を海辺の松に例え、あげつらうことで、自分に取り入ろうとする中川に予防線をはったかもしれない、結果的に中川の闘争心をあおった
20代の中川、50の野中は互いに利用価値があったから次第に接近した。野中はややこしい案件処理をもちこむように
野中の選挙があれば農協職員動員して尽くしたが献身が報われず野中への怨念を募らせる
野中は中川に地盤を崩されていく
98年自民以外の参議院が通り、野中は求心力を失い出す
西の井嶋隆東の飯島勲
野中の元秘書井嶋と中川うまくいかず、
間に井嶋姉をおいていたため↑
中川の猜疑心は政治全般に影響
大物政治かに腹を見せて甘えなかった
すきがないと可愛がられない
一次安倍晋三が郵政造反組の復党を認める
中川は山段芳春をモデルにしたとしか思えない
郵政民営化は民主党政権交代で骨抜きになった
野中が土木業者はじめ利害関係の仕切り役をやっていたのは事実、公共工事にゼネコンや暴力団からむ
しかし清和会が実権握っても利権政治はそのまま、ただ桁の数が減った、小粒化
中川、小泉チルドレンになるも
その後、野中の後継者、田中と戦うことになる、勝ったのは民主党議員だった -
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自分は農業を営んでいないものの、親族がJA組合員かつJA職員ということでなんとなく”フィクサー”というワードで興味を持って読んだ。
それもあるので、農協のフィクサーとあるが、ほぼJAグループ京都の話であるのは少し興味が削がれた。
とはいえ、現職会長の中川氏の問題点を丹念な取材で暴いていくところは多少なりとも政治に興味があるとやはり面白い。
ただ、上記の中川氏の問題はあるのだが、京都に限らず日本の農業を推進・支援していくはずのJA(京都)が営農支援に注力せず金融業を強化していくのは、経営的観点ではやむ得ない部分はあるものの、農家生まれとしては残念さが否めない。地元のとある公共のシステムを担当しているシステム会社営業部長からも、似たような話を聞いていてそもそも農協とは何のためにあるのか?という根本的な意義に対する疑問を持った。
audible版 -
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障害をバネにのしあがり、政治の世界にも進出しつつ、京都の農協のトップに長年君臨して、数々の「悪事」にも手を染めてきた「農協のフィクサー」、あるいは「農協の独裁者」といえる中川泰宏とは何者かに迫ったノンフィクション。
中川泰宏という人物については、小泉チルドレンにいたかなという程度でほとんど何も知らなかったが、京都の農協を支配し、野中広務とも激しい政争を繰り広げたこんな特異な人物がいたのかと驚いた。本人には取材できていないものの、関係者への聴き取りや著書の分析など丹念な取材により中川泰宏の人物像を克明に浮かび下がらせており、とても読み応えのある本だった。本人や農協からの強い抵抗を受けつつも数々の「悪事」を暴き続けた著者のジャーナリストとしての矜持と能力にも敬意を表する。
中川泰宏という男は障害をも味方につけ自らの才覚により京都の農協や政界で勢力を伸ばしてきたということで、ある種の人間的魅力のある人物なのかとは思うが、個人的にはアクが強すぎて、決して関わりたくはないなぁと思った。著者が明らかにした中川の数々の「悪事」、特に、被差別部落でないのに同和対策補助金を受領したことや、農産物輸出促進につながりそうもない海外での晩餐会の開催といった私腹を肥やすためとしかいえない公私混同的な公費の使用は許しがたいものがある。著者などにより問題が公になっているのに、なかなか改められないことにも闇の深さを感じる。
個人的に、現在の農協は農業振興の役に立たずむしろ足枷になっている部分もあるのではないかと批判的に捉えているのだが、中川のような人物が経営層としてのさばっているところに農協をめぐる諸問題の一因があるのではないかと感じた。ただ、著者も最後に指摘しているように、中川のような「独裁者」が跋扈しているのは農協だけでなく、政界、会社、大学など日本社会の様々なところで存在していると思われ、そのような支配を打破していくことが今後の日本社会にとって不可欠だと思う。そのためには、なかなか難しいとは思うが(自分も当事者なら声を上げられるか自信はないが)、周りがちゃんと声を上げていくということが必要だし、著者のような心あるジャーナリズムの役割が重要だと考える。