金井良太のレビュー一覧

  • AIに意識は生まれるか

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    AIに至る前段階というか意識の話が著者の人生と共に説明される。クオリアとか意識の統合情報理論とか知らない事ばかりで勉強になる。優しい語り口で書いてあるので分かった自分としては気になってるが後で思い返そうとすると駄目だった。再読すべき本。
    あと本筋と関係ないけど英語学習の重要性が認識できた。

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    2025年08月03日
  • AIに意識は生まれるか

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    タイトルにAIという言葉が入っているが、全体の趣旨としては、意識研究の全体像をまとめようとしている本。哲学、言語学、神経科学、コンピューターサイエンス…と色んな分野の研究が出て来て面白い。
    でもただの説明文という感じでもなくて、著者の人生の歩みとともに論が進んでいくので、どちらかというとエッセイっぽさもあり、おかげで超読みやすかった。

    「はじめに」で小学校のときに抱いていた疑問として「木は生きているとしたら、動けないのに風に吹かれ続けるだけってどういう感覚なんだろう?」(=木に意識はあるのだろうか?)が紹介され、それについての謎がその後の研究で少しずつ解明されていくという構成もわかりやすくて

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    2024年03月03日
  • AIに意識は生まれるか

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    AIについてというよりは、金井先生の意識研究における歩みを一つの本にまとめた本。

    知人に勧められて読んだが想像以上に面白かったし、何よりとても分かりやすかった。多岐に渡る意識研究を明快に解説しながら筆者の破天荒な研究者としての人生を随筆のような形で楽しむことができる。

    最終的には人工意識の話に移るが、意識とは何か、という問いや脳科学全般に興味がある学生などには特におすすめしたい。

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    2024年02月10日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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     「モラル」とあるが、脳と人の「幸せ」との関係を論じる含蓄ある1冊。他人と関わることが人の「幸せ」の第一歩、それが脳科学的にも証明されていることを示すもの。
     もっとも、脳科学的な記述は、このテーマに興味がないと少し退屈に感じる人もいるかも。

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    2021年04月27日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    私は自然科学も哲学の一部だと思っていますが、それはともかく道徳性・政治信条に関連する部位が脳のどこにあたるのか、を実験によっておおよそその位置が特定できるということを紹介した著作。

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    2020年03月05日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    ネタバレ

    功利主義、義務論主義、徳倫理学

    ・モラルファンデーション理論
    社会心理学では、倫理観を記述する概念として、5つの道徳感情が根幹をなしていると提案されている。
    1傷つけないこと
    2公平性
    3内集団への忠誠
    4権威への敬意
    5神聖さ・純粋さ
    1、2は、個人が倫理的価値観の中心に置かれている。
    3-5は、個人よりも、社会の秩序に重点が置かれている。
    モラルファンデーションのバランスには個人差があり、個人がどの倫理的価値に重きを置くかは、人によって様々。
    VBM解析によると、脳の構造の違いを反映している。

    政治の脳科学
    p30
    アメリカでは、政治心理学という社会心理学の一分野がある。そこでは、保守

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    2019年09月14日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    信頼や互恵、幸福、評判、倫理など、いまの実験社会科学研究において重要なテーマを網羅しつつ、かつ最新の神経科学的研究までもカバー。学部ゼミのテキストとして読むとよいかもしれない。よい導入本の1つといえる。

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    2015年07月31日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    経済はどこかで良くなれば、どこかで悪くなり、全員が「幸せ」を得るのは難しい。
    「信頼のある人間関係は、幸せな感覚とともに、社会のネットワークの中を伝播していく。」という当たり前だが気づきにくいシンプルな考えに、はっとさせられた。

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    2013年09月03日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    たとえば何かの主義主張を持ったり、倫理的判断をしたり、たとえば人に共感しやすいとか幸福感を持ったりすることは、あくまで自分自身による、人それぞれの主観的な判断に基づくものと考えるだろう。
    しかし、最近の脳科学の研究によって、「金銭的な損得勘定では割り切れない倫理観や道徳感情が、生物学的進化の結果として人間の脳と遺伝子に組み込まれている」ことが明らかになったのだという。
    政治的信条とか、他者への信頼や共感など、ある程度どのような傾向があるか、生まれつきの脳の構造の違いで判断できるのだそうだ。
    もちろん、その後の生育環境に60パーセントくらいは影響を受けるというが、3歳頃の性格から、ある程度20年

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    2019年08月15日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    道徳や倫理観といったものを脳科学の観点で解説した1冊。予備知識のない私には手頃であったが、100頁程度の中に詰め込んだ関係で薄く広く触れている。哲学的な見地と脳科学をつなぐための1つのポイントになるかと思う。

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    2013年08月20日
  • AIに意識は生まれるか

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    タイトルにAIという言葉はあるが、意識に関する研究概要を著者のキャリアに沿って説明する内容が大半であってAIに関連した内容は後半僅かしかないので注意。
    研究概要の説明もエッセイ風であるせいなのか、分かりやすく簡潔に説明しようとして逆に分かりにくくなっている印象。
    各パートを短く構成しているのはテンポの良さを意識しているのかもしれないが、もう少し詳しく説明してもらえた方が理解しやすいように感じた。

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    2024年05月29日
  • AIに意識は生まれるか

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    科学?哲学?エッセイ?
    なかなか一言では言い表しにくい本。

    とりあえず、タイトルの話が直接出てくるのは終盤です。

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    2023年12月13日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    進化心理学、進化倫理学に関する本。最新の脳科学の研究によると、人間の倫理観は脳の中にある根本的な道徳感情に由来する。また、物事の善悪を判断するのに、進化の過程で脳の機能として組み込まれた道徳感情が、人間の判断を左右し、ときに悩ませる倫理的価値観の基盤となっているようだ。

    わずか110ページ余りの本書の中で、モラルファンデーション理論、オキシトシン、信頼ゲーム、公共財ゲームなどが手際よく紹介されている。日本でも進化心理学、進化倫理学に関する啓蒙書の書き手として有名なジョナサン・ハイト、ジョシュア・グリーンの研究紹介がコンパクトにまとめられており、彼らの本を読む際に参考にしたいところである。

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    2020年11月15日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    よくまとまったいい本ではあるが、哲学と科学の相互交渉、相互連絡を主張するのであれば、いただけない記述も多かった。

    「哲学用語はやたらと『〜主義』という言葉を使って、もったいぶった感じがして困る」(15頁)

    〜主義という言葉は、-ismという英語にシステマティックに対応しており、何らかの思想的立場を表すシグナルとして機能している。
    専門用語が存在することにはそれなりの意義があるということを、同じ専門家として、脳科学や心理学と、哲学とは分かり合えてもいいはずなのに。
    筆者は哲学を侮っているとしか思えない。

    こういう、科学者による無意味なマウンティングに生産性があるとは思えない。
    それを言えば

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    2020年03月03日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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     道徳や倫理の分野と科学の橋渡しが可能になる時代となりました。まだ、研究は始まったばかりといった手ごたえですが、人の感じ方の違いへの新しいアプローチが可能になるはずです。

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    2016年11月17日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    行動経済学の類書を薄めたような本。
    自分で行った研究はあったのだろうか。
    全体の構成も練られていないし、各章の要旨をまとめるくらいの労力を惜しんで欲しくない。日本の学者が書く本は読ませる努力が足りない。

    ※ご本人より指摘あり。きちんとご本人の研究も記載されていたようだ。既存研究から独自研究に持って行く流れで流し読みしてしまった。反省。

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    2013年10月20日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    『脳科学の真実--脳研究者は何を考えているか』(著者:坂井克之)を
    本書と併せて読むといいと思う。

    より中立な立場で本書を読むことができると思う。

    最近,いろんなことを脳科学的な文言を使って
    説明するのが流行りだけれども,
    脳みそはまだまだブラックボックスだったりする。

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    2013年10月14日
  • 脳に刻まれたモラルの起源 人はなぜ善を求めるのか

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    ネタバレ

    脳から倫理、政治信条、幸福を明らかにしようとする試みが書かれている。脳画像研究が使用できるようになり、これらの哲学的な内容を明らかにできないかという試みが広がっており、著者もその中心となっている研究者と思われます。古くから解き明かそうとされてきたこれらを、尺度で捉え、脳画像との相関を見ることで、明らかにしようとすることは意味があることであるが、まだ因果関係にまだ届いておらず、またその知見のすきまが大きすぎて、何とでも解釈できてしまう気がする。これからの分野を著者の解釈で解説した現時点までの知見をまとめたよくできた本と思う。

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    2013年06月28日