大泉黒石という作家の存在そのものも興味深いけれど、彼の紡ぎだす言葉と世界にすっかり魅惑されてしまいました。
物語によって語り方を変えているのかなと思うその手管が素晴らしい。
タイトルを含む終わり二編には参りました。
怪異の正体をぐるぐると追いかけまわしているうちにすっかり迷い、目が回り始めた頃にぽー
...続きを読むんと出口に放り出される。
今まで嗅いでいた恐怖と魅惑の香りだけが鼻先に残り、もう一度帰りたいと思うのにもうその迷路は消えてしまっている。
不親切な作家だと思うけれどつれないところが素敵。
埋もれた作家の再発見、万歳です。