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ロシア人を父に持ち,若くしてロシア,ヨーロッパを彷徨いトルストイの謦咳に接した.革命から逃れて日本に帰国,その後,東京の下層社会で極貧生活を送りながら旺盛な執筆活動を始める.才能を妬まれ虚言の作家と貶められ,文壇から追放された大正期のコスモポリタン作家が,生まれからデビューまで,数奇な人生を綴る.
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Posted by ブクログ
なんかすごいもの読んじゃったな…という感想。 まず少年時代からして激動かつ波瀾万丈の人生すぎる。 トルストイに会った!病弱な窓の少女に恋をした!パリに行って悪友と大暴れした!ロシア革命で保護者気取りの女性が撃たれて、いのちからがら日本にやってきた!みたいな感じで、飾り気の少ない文章から繰り出される人...続きを読む生が凄まじい。 ただし解説にある通り、無頼系なる人物伝が流行ったというか、時代が求めたキャラクターに黒石自身が乗っかって売り込んだのだと思う。後半になればなるほどわかるが、黒石は何度も騙されていくうちに、自分も生きるためならなんでもやってやろうと覚醒していく。 書くことも同じ。生活のために自分の文章を書き上げて、編集者に持ち込んでいる。書きたくて書いてるのではなく、生きるために書いている貪欲さがグッとくる。 ムカつく友達に会った時とか、読んでおくと元気になるかも。
タイトルのインパクトが中々であるが中身も濃い。ロシア人とのハーフで歳上の女性との恋物語は少し嘘臭いが貧乏時代や作家として成功してから警官になって近づいてきた知人などがリアルで面白い。何よりトルストイと会ってるのは歴史的にも凄いと思える。 このつづきが読みたかった。
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