実家を片付けたい人や、親に片付けしてもらいたい人に特にお勧めの本である。
本書が他のお片付け本と違うのは、シニア向けに特化した内容ということ。それに、下記の2つが提案されていることである。
1.モノは捨てなくていい
2.モノより大切なのは空間
一般的に片付けは、要るものと要らないモノを分けて、不要なモノを捨てるところから始める。しかし、本書では、いま過ごす場所を快適にすることを最優先事項としている。とりあえずモノを寄せて空間を作り、捨てることはいつかやればいいという考え方である。これは新しい発想だ。
「寄せる」のは緊急避難だが、高齢者に限らずどんな家でもそこからスタートした方が、とっかかりやすく、しかも幸せな暮らしにつながりやすいと言う。5000軒以上のお片付けをしてきた著者の、経験に基づくアドバイスなので、「なるほどそういうものなのか」と勉強になった。
古堅式4ステップ片付けは、以下の通りだ。
1. 収納の中を全部出す。
2. 今使うものと今使わないものに分ける。
3. 今使うものは収納に戻し、今使わないものは段ボール箱に入れる。
4. 1年経って段ボール箱を開けなかったら、箱ごと捨てる。
しかし、シニアや高齢者は、仕分の途中で疲労困憊してしまい、せっかく出した収納の中身をそのまま元に戻してしまうことも少なくないという。
そこで、古堅式5ステップーシニア版として下記の通り指南している。
1. ライフラインの確保
2. 生活導線の見直し、
3. ものを寄せる
4. 空間を作る。
5. いつも使うものは出しておく。(収納の中に無理にしまわなくても良い)
きれいに片付けるのが目的ではなく、片付けることによってできる空間で何をしたいかに焦点を当てている点が、人に寄り添った考え方だと感じた。
・この家をどうしたいのか?
・何をやりたいのか?
・どういう空間にすれば、ワクワクできるのか?
この3点を明確にし、レイアウトを考えて、空間を生み出していけば、普通の取捨選択から始まる片付けよりは、敷居は低くなりそうだ。
シニア世代のお片付けの味方になる本である。