坂野公一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
箱根駅伝で3連覇した、青山学院陸上部 原晋監督のエッセイ。
世羅高校ー中京大学ー中国電力陸上部
中国電力陸上部の創部にともない、選手としてスカウトされる。その時の約束は中国駅伝(現ひろしま男子駅伝)の出場。その約束は果たすが、後に就任した監督と反りが合わず退部。一般社員として中国電力に残る。どちらかというと、中途半場な原氏に本気モードの監督が業を煮やしたという印象。
その後、エコキュートの販売など、営業マンとしての実績に紙幅がさかれる。一見、陸上とは何の関係もない話が続くが、遠い目標を決め近い目標に落とし込んでいくスタイルやまわりの人を巻き込んでいくスタイルに、後の監督の原型があるように思う。また、まわりが国立大卒業社員ばかりで、ひとりだけ私立大体育学部卒という孤独と意地のようなものが感じられた。このころ結婚しているが、陸上選手としての原氏を全く知らない奥さんが、後に陸上部の寮母となるのは驚き。
青山学院監督になってからは、若者に手を焼く話。選手の性格を無視し高校時代の成績だけでスカウトしたら失敗だったというエピソードは、一流になるには人格が大切だという教訓になる。
早く走るための技術や、コーチングの手法という点ではほとんど参考にならない。原監督のパーソナリティを知るには良い本。純で一本気な監督の性格が伝わる。また、体育会系の理不尽な厳しさを嫌い、楽しさやユーモアを大切にしていることも、若い世代に慕われる所以だろうと思う。 -
Posted by ブクログ
2015年の箱根駅伝で、総合優勝した青山学院大学の原晋監督の自伝。
中国電力での実業団の陸上部で活躍できず、営業マンとして働いた10年間。原さんが挫折を味わったあとには、前向きに営業としてトップを取ろうと努力します。
営業として顧客にどう提案していくか、社内でチームとして動く際にはどのように意志疎通を図ったり関わり合っていくかを経験できたと書かれています。
これらの体験が、青学のチーム作りに大いに役立ったそうです。
また、青学の監督に就任してからも、箱根駅伝で勝てるチームになるまでには結果が出ず苦しんだ時期もあったようです。
2015年の箱根駅伝「ワクワク大作戦」を宣言し、選手のやる気と引き出し総合優勝に導きました。しかし、ただ明るく楽しく走るだけでなく、原監督の戦略や目標設定など、組織を動かす上でのヒントがたくさんあると感じます。
16年の箱根駅伝の目標「その一瞬を楽しめ」、また新しい青学の走りを楽しみにしています。 -
Posted by ブクログ
最強の駅伝監督と言えば、原晋さん
僕が知った時には既に有名な人だった。
さぞ立派な経歴だと勝手に思っていた。
いや、全然そんなことない。
むしろ、どこにでもいる当たり前のおじさんである。
・憧れの世羅高校3年生で準優勝(やる気ある)
・酒やパチンコに溺れる中京大学時代(やる気ない)
・中国電力での5年間の陸上選手生活(やる気ない)
・中国電力での営業人生(やる気ある)
何が重要かって、途中でちゃんと失敗していること。
それも20代の多感な時期に大きく失敗していること。
中国電力では、やる気のなさがゆえに、陸上部を首になっている。
そのときの後悔や挫折感はきっと今も原監督の中に残っているはず。
ああ、申し訳なかったな、と。
学生に対して、堕落してしまう気持ちも分かる。
それでもやる重要性を訴える。
その熱量はきっと監督の実体験から来ている。
順風満帆ではなかったから、指導に味が出ている。
そんな想像をしながら1冊を読み切った。
それにしても、テレビのイメージ通り、明け透けとしていて
どこか憎めない人だなーと文章通じても思ってしまった。
そこも原監督の重要なスキルの1つと感じる。
2026年の今は箱根駅伝3連覇中、2015年に初優勝
そして、その勢いのまま2019年には4連覇を成し遂げている。
2027年には、もう一度4連覇に挑む。
覇道に進む前の、まだ何物でもなかった原晋監督の物語。