矢部武のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上野千鶴子もおひとりさまの老後をお勧めしていたが「金がある人はなんでも言えていいわね」と顰蹙をかった。
老後は金がいるのだ。当たり前なのにね。
米国は1人で生きることを前提とした社会であり、それゆえに人々は子供夫婦や孫たちと一緒に住もうとはせず、自立した生活を送ろうという意志が強いという。しかし、オバマ大統領の医療保険改革への反応をみればわかるとおり、米国において医療制度や老人介護システムが手厚いのか。答えはノーでしょ。個人の自由と自己責任を重んじたい人たちなのだから。
でもこの本を読むと、アメリカってのはものすごい介護システムが整っていて誰もがよき余生を送れるよ的な書き方でした。
アメリカでは自立を重んじるゆえに1人で亡くなる人は多い。日本ではそれを孤独死というがアメリカのそれは自立死と呼ぶべきだと書いている。
さらに1人で亡くなることが問題なのではなく、社会的つながりをもたずに1人で亡くなり、死後何週間も発見されずに遺体が腐敗し、他の人に迷惑をかけることが問題なのだと言い切る。
え、そうなの。みたいな。
そこで、著者はアメリカにならって社会システムを整えればよいと主張するが問題の本質はそこではない気がします。(遺体の腐敗を防ぐことはできるかもしれないが)
なぜなら、ここで紹介されているような事例くらいなら、やろうとすれば日本でも受けれるでしょ。
わが国は1人を前提とした社会システム基盤が整ってないのではなくて、1人を前提とした社会を自発的に受け入れる人間が少ないんだと思う。
たとえばね、「寂しさや孤独感を感じることがないか」との質問に「それは一人暮らしだからではなく精神障害が原因だ。ストレスなどにうまく対応できないと一週間ぐらいずっと落ち込み、自殺したい衝動にかられることもある。そういうときは、子供や孫のことを考えたりソーシャルワーカーと話をするとだんだん収まって来る」この発想がアメリカンリベラルの極みであり、日本にはない考え方だと思う。
とはいえ、死ぬときは1人。自分が歳を重ねたときも今と同じような考え方をしているかどうかはわからないけど、生きていて感じる孤独や寂しさっていうのは他者や社会との関わりで解消するようなものではなく、世界そのものの端的な欠落に対するものだと思うのです。なのに虚無の中心は他ならぬ自意識だというのは矛盾だけど。
死は突然にやってくる。あらゆるハッピーな状況とは関係なく、ただ死ぬ。「人は死ぬ限り幸せになれない」といいきる中島義道先生ように、他者の存在や社会との関わり程度で孤独など癒せるわけないだろう、と老後の恐怖より死の恐怖に向き合いながら私は死にたい。63点。 -
Posted by ブクログ
友人のおじさんが書いた本だというので、昔読ませて貰った。
アメリカの過激な現象を報告していて、読んだ当初は面白いと思ったけれど、日本人視線から見た「過激さ」なので、アメリカのこの異常さの原因に肉薄するような内容ではありません。なので、最近出た「ポジティブ病の国、アメリカ」の方がアメリカ病というものをきちんと指摘できていて良いと思います。
だけど、politically correct やら 向精神薬への過度な依存という現象についての報告は当時そういうことに関してはあまりに無知だったので、大変興味深かったという思い出があります。
さらに、本職はジャーナリストなので、その友人の家にお邪魔しているときに、著者から友人に電話がかかってきて、電話口で「ブッシュは選挙で不正して再任しやがった。その証拠は掴んだぞ」という話をしていて、あの大統領選挙の時にびっくりした記憶がありますし、そういう事実の方が鮮明に記憶に残っています。 -
Posted by ブクログ
アメリカ嫌いの人は周りにはたくさんいるし、昨今の情勢からも絶えずアメリカ批判の声は聞こえてくる。したがって、「アメリカがおかしい」というのは別に目新しいものではない。この本は、特にその時々の政治的、社会的な問題に関わる部分よりも、日々アメリカで暮らしている白人アメリカ人の日常の姿の裏に隠された問題を分かりやすく明らかにしている。特に個人的にはPCの話は社会言語学の一部でも話題になることなのでもともと関心のあったことだが、他の部分も面白く読める。しかし、健康志向や銃社会、日本人への人種差別など、時事問題オンチのおれでも予想できることなので、この本を読んで特に何か新しく知った、とかとても驚いた、というようなことはなかった。アメリカ人の日常的に抱えている問題を改めて整理するのには役立つと思う。
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Posted by ブクログ
アメリカ病、のタイトルから分かるように現代アメリカの問題点を具体的にあげている本です。この本は一番初めにアメリカにも良い所がある事を述べ、後はずっとアメリカの問題点についてかなり否定的な事ばかり書かれてますので、これからアメリカに行く人はあくまで悪い点に一面的にスポットをあてている本と踏まえた上で読まないと鬱になります。
内容は例えば、物事は楽天的に考えなくてはいけない、円満な家庭を装わなければならない、という意識から歪みが出ている、とか。「日本人は外で妻を殴り家で妻にキスするが、アメリカ人は家で妻を殴り外で妻にキスする」と聞いたことがありますが、アメリカでは日本とはまた違う人目の気に仕方が問題になっているようです。
或いは、アメリカに根付く人種差別。海外生活をした人は実感として、ヨーロッパよりもアメリカが一番差別意識が強いと思うようです。朱鷺には実際の所は分かりませんが、例え個人では偏見のない人が多くても社会となるとやはり白人優先、な所があるようです。就職等に影響がでることもあるとか。
アメリカに対して、この国何か変だぞ、と思っている方は、その原因が分かるかもしれません。