丸山眞男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『現代政治の思想と行動』を中心に戦後約10年の論文を9編セレクトしたもの。
論文自体は発表された当時から有名な論文が多く、『丸山眞男集』にも収録されているので特に目新しいものはない。
しかし、この本には編集者の注がついており、丸山文庫の資料をふんだんに使うことにより、その思想の成立過程の一端をのぞくことができる。また、今からだとわからない時代背景であったりについても解説が入っているので、若い人には読みやすいと思う。
丸山は確かにいろいろ評価がわかれるところではあるが、間違いなく色褪せない論文を書いている。
そして、それは未だに克服されていない問題も多い。
日本の民主主義を考える上で、避けては通れない人物であるのは間違いない。
個人的には、このシリーズに古層論文と江戸期の論文のシリーズが出るのを期待している。 -
Posted by ブクログ
日本の極端国家主義の特徴は、精神的な権威と政治的な権威が分かれていないこと。この極端国家主義が、国民を永きにわたって苦しめ、戦争に駆り立てたのだ。教育勅語で国家が倫理を押し付けるなんてけしからん。国家は宗教や信仰、思想に中立であるべきだ。▼慎ましやかでないし、むき出しの権力でもない。偉そうなのに小物。それが日本的な政治。東条英機などがその例だ。
※過度な一般化。歴史上の短期間の現象や特定の政治家の特徴を強調しすぎており、複雑な全体を一面的に切り取っている。
※日本特殊論。ここが変だよ日本人。日本人はこれこれの特徴をもつと指摘するのは喝采され、外国人がこれこれの特徴をもつと指摘すると「差別」「偏見」になる。
※反体制バイアス。
現実主義けしからん。「国際情勢など、現実を見れば、再軍備が必要だ」はだめ。再軍備反対。現実は所与であると同時に、日々造られていくものだ。「現実だから仕方ない」がファシズムに対する抵抗力をなくさせた。
※「現実主義」が何を指すのか不明瞭。「現実主義」は、国際政治学の「リアリズム」のことではないらしい。
憲法9条擁護。「国際情勢がきな臭くなったから改正」はダメ。制定された当時から米ソ対立は予見できていたはず。にもかかわらず、非武装国家を選んだことにこそ、画期的な意味があった。p.264
※平和主義の理想を誤って追求することがかえって戦争を引き寄せる。
各世帯にピストルを1つづつ配給すれば、権力や暴力にたいして自分の自然権を行使する心構えが根付く。これで「自衛権のない国民は何もできない」という再軍備派の言葉の魔術も効かなくなる。p.393
※外国のプロ軍隊に、素人市民がピストルでは応戦できない。国家は国民の生命・財産を守ることを約束したのなら、軍事力の放棄(第9条)は国家の責任放棄であり、社会契約に違反する。
現行憲法によって保障されている権利の実感を失いたくないという保守感覚、これをもう少し政治的に昇華して、組織化する方向に努力すれば、もっと広汎な大衆を動員できるのではないか。p.378
※現行憲法9条によって国民の生命・財産が危険に晒されており、これを変えなければいけないという変革感覚、これをもう少し政治的に昇華して、組織化する方向に努力すれば、もっと広汎な大衆を動員できるのではないか。
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人間社会は制度や合理性だけで成立するのではなく、人々が共有する意味=幻想によって成り立つ。国家や宗教、民族は客観的実体ではなく、共同で信じられることで現実的な力を持つ。自己幻想は自我の意識、対幻想は恋愛や親子関係などの一対一の親密な関係、共同幻想は国家や宗教のような集団的な共有意識。共同幻想は突発的に生じるのではなく、対幻想のような親密関係の感覚が拡張されることで形成される。吉本隆明『共同幻想論』1968
*国家と民族の混同。国家と祖国の混同。祖国愛=国家愛?