主人公は、最初からなんなら最後まで一貫して、気持ち悪いなんだこいつってスタンスでも良かったと思います。
殆どの物語はハッピーエンドや良識的な方に正そうとするラストが多く、非道な部分には相応の罰が与えられたりしてますが、リアルな人間の側面って、気持ち悪いものは気持ち悪いし、嫌いなものはずっと嫌いと貫
...続きを読むいているものかと。
特に前半は理不尽で身勝手な部分が顕著に出てて、未知のものに対しての正直な反応だなと面白かったです。
ゆるっとした可愛らしいものなら無条件で愛されるのか、ドロっとした汚らしいものなら、有無を言わさず嫌悪されるのか。
必ずしも多い意見のものが正しいとは限らないが、自分だけにとってはどうなのか。
今回作中では、オゲハに対してほぼ主人公だけの主観で進んでいったところも良かったです。
ソレを自分にとってどう捉えるか、で付き合い方も様々かと改めて思いました。
オゲハの人間と虫が融合された身体も、どちら重視で考えるかだけで、感情移入の具合も変わってくるかと思います。
未知の巨大害虫だと捉えたら…、
か弱い女の子(男の子?)の無垢な姿と虫の身体だと捉えたら…、
また、第三者として客観的に読み進めていくと、可哀想だったり複雑な心境になったりもしますが、自分の深いところにある一部分と重ねて考えてみると、誰しも持っている好奇心や嫌悪感の具現化なのかなとも思えました。
この物語を通して、普段はスルーしてしまいそうな部分から様々な角度で考えることが出来ました。
こういった作品今後も期待してます。