荻野アンナのレビュー一覧

  • 老婦人マリアンヌ鈴木の部屋

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    それぞれの人の生活や思いという点が連なり線となり、他の人の線と絡み合って人生という物語が紡がれる。人は一人では生きていけないのだ。絡みたくなくても絡んで生きていく。
    細切れに、それぞれの人生のワンシーンが書かれていて寝る前に布団の中で読むのには適していました。後半特に面白く、一気に読んでしまった。

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    2022年03月07日
  • 老婦人マリアンヌ鈴木の部屋

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    金運からも仕事運からも見放され、浮気された末に夫とも別れたモエは、ホームヘルパーの資格を取得し、介護の道に踏み込む。担当となったのは、母方がフランス人という90歳の老婦人マリアンヌ鈴木だった。怪しげな悪徳商法で荒稼ぎする介護事業者のトチ中野、その19歳下のダーリンこと甲斐性なしのリチャード、大道芸人のミッキー。金欠のモエも宝石にハマり、リチャードやミッキーに心がときめき…まさにカオス。ドタバタの人生劇場。

    ご両親の介護と看取り、パートナーの方を癌で亡くし、ご自身も癌となった荻野アンナさんの経験が沢山詰まった作品である。つらく、しんどい介護を笑いにまで昇華させる荻野さんの強さを感じる。後半の絵

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    2021年12月31日
  • カシス川

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    要介護4の母を抱えながら癌闘病記。自分もお医者に尻を向けて挨拶した経験があり、一つひとつの思いが伝わりすぎるくらいに伝わってきた。いろんな場面で激しい共振があった。死と地続きの場所に居て細胞のレベルに恐怖がしみ込んで・・・・・生きる側に戻ってこられた実感がある。なんて言われるとグッとくるものがあった。また、近すぎる故の愛憎劇には何度も頷いた。一行一行に胸焼けをもよおした。読後数日は天国のような朝が続いた。

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    2018年03月03日