【感想・ネタバレ】老婦人マリアンヌ鈴木の部屋のレビュー

あらすじ

著者はパートナー、父、母の介護と看取り、自らの大腸がんとうつ病の25年を過ごした。今だから書ける陽気で深みのある老活小説。うば桜日和をすごす老婦人、シニア婚活に取り組む実業家、離婚し宝石に夢中のヘルパー……落語で鍛えた軽快な文章でたのしむ傑作。

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Posted by ブクログ

それぞれの人の生活や思いという点が連なり線となり、他の人の線と絡み合って人生という物語が紡がれる。人は一人では生きていけないのだ。絡みたくなくても絡んで生きていく。
細切れに、それぞれの人生のワンシーンが書かれていて寝る前に布団の中で読むのには適していました。後半特に面白く、一気に読んでしまった。

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2022年03月07日

Posted by ブクログ

金運からも仕事運からも見放され、浮気された末に夫とも別れたモエは、ホームヘルパーの資格を取得し、介護の道に踏み込む。担当となったのは、母方がフランス人という90歳の老婦人マリアンヌ鈴木だった。怪しげな悪徳商法で荒稼ぎする介護事業者のトチ中野、その19歳下のダーリンこと甲斐性なしのリチャード、大道芸人のミッキー。金欠のモエも宝石にハマり、リチャードやミッキーに心がときめき…まさにカオス。ドタバタの人生劇場。

ご両親の介護と看取り、パートナーの方を癌で亡くし、ご自身も癌となった荻野アンナさんの経験が沢山詰まった作品である。つらく、しんどい介護を笑いにまで昇華させる荻野さんの強さを感じる。後半の絵画修復の話などは、著名な画家だったお母様の作品を残そうと奮闘されている荻野さんならではのエピソードだろう。

2頁ほどの短い場面がバラバラに、脈絡なく続くのだが、何となく最後まで読めてしまった。誰もがいつか来た道、いつか行く道。永遠に生き続けるわけにはいかない。なればこそ、いつも今を楽しみたい。それこそ人生は、うたかたなのだ。

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2021年12月31日

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