木村朗子のレビュー一覧

  • 百首でよむ「源氏物語」

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    面白かった!
    確かに和歌はとばして読みがちだけれど、丁寧に解説してくれているのでわかりやすくて引き込まれた!いつの時代も恋の歌は切なくて共感できるものが少なくない。物語上では、約100人の人物が和歌を詠んでいるけれど、これを100人になりきって書いた紫式部って半端ない…と思った。この時代に生きてたら、推しキャラについてオタク同士、夜を明かして語っていたかもしれないな…と思うと楽しい。『源氏物語』、特に宇治十帖をもう一回読みたい。

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    2025年07月24日
  • 現代語訳 中世稚児物語集

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    「恋煩い」とは今でも言うけれど、この時代は本当に恋人に会えない苦しみ、死別離別の苦しみで死んでしまう…え!?とは思うけれど、私たち現代人は寿命が長くなって、その分失恋や恋の苦しみを何度も経験するから耐性がついているだけで、恋しい人に会えなかったら辛いし恨むし寂しいし、死んでしまうくらい苦しい気持ちは分かるよなと思う。その点で男女の古典物語と全く変わらない。花みつ月みつが悲しかった。最後の稚児之草紙は文章も春画もあまりにも露骨で笑ってしまった…

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    2025年11月29日
  • 現代語訳 中世稚児物語集

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    ネタバレ

    思ったよりも面白かった。稚児は実際には成人男性であるため、行動力があり、年長者を相手にしても物怖じしない。一方で、周囲からは少年として見なされる場面も多く、容姿端麗で性格もいいせいか若くして亡くなった際に惜しまれ、可哀想だとする声が強く出る。結果として、出家や菩提の弔いが念入りに行われる傾向がある。稚児物語での死や恋は、仏教の教えに没入させるための方便として意図的に演出されている。

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    2025年07月30日
  • 紫式部と男たち

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    テレビの影響か日本史を読みたいと思った。藤原氏が牛耳っていた頃の朝廷が舞台となるが、日本人なのに読めない訳がないと理解できないあたりもどかしい。
    テレビとも重なり、あれはこう言うこととふたつかあって深く理解できるものがあった。
    現代のように、女性が前に出ること、勉学することが難しいことで、男性目線の日本史を学んできたと思う。
    この本のように実はしっかり得をしたのは…という面白さをもっと知りたいものだ。

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    2024年03月16日
  • 現代語訳 中世稚児物語集

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    中世日本の男色(男性同性愛)物語アンソロジー。
    編者解説によれば、
    往時の彼らはセクシュアルマイノリティではなく、
    プラトニックな関係であれ性行為を伴う間柄であれ、
    それは男性の嗜みであり、
    一般的な性的経験だった由。

    ■秋の夜の長物語
     出家者とはいえ俗縁を絶ったわけではない男が
     心の底から仏道に邁進する機縁として語られる
     稚児との悲恋。

    ■あしびき
     仏道に惹かれる儒学者である語り手の息子が主人公で、
     父の想いを託されて比叡山の寺へ修学に。
     短い稚児生活を経て出家し、
     侍従の君と呼ばれるようになった彼は、
     東大寺南東院の僧都に仕える稚児を見初め……。

    ■松帆浦物語
     寺院

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    2025年05月12日
  • 紫式部と男たち

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    今年は「武蔵」「新選組!」「龍馬伝」以来10年以上ぶりにNHK大河ドラマを観ている。その流れで『源氏物語』や紫式部関係に手を出している。昔の物語は著者が誰か分かっているものは少ない(『源氏物語』は例外的)とか、書かれときから見ると少し前の時代を舞台に選んだことで「光源氏のモデルは誰か」のようなゴシップから逃れられかもというようなことは知らなかったので新鮮。

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    2024年04月29日