茨木保のレビュー一覧
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ネタバレ
体ありがたや
・ミトコンドリアは、家に住み着いた猫のような存在。
ある日、野良猫を家に入れた。一緒に住んでみると、布団に入れるし温かい。ネズミも退治してくれる。
そしてなによりかわいい。いつしか猫のいない生活は考えられなくなった。
・自然界では、物質の状態は全て乱雑さが大きくなる。きれいな部屋がいつしか散らかるように。
しかし生物は皆、無秩序さを減少させて、生体を維持する努力を続けている。
その命尽きる日まで、自然の流れに逆らう作業を続けている。
・口から肺胞までのスペースのうち、「空気の往来はあるものの、ガス交換にあずかっていないスペース」を死腔という。
口腔、鼻腔、気管、気管支である。死腔 -
Posted by ブクログ
産科医が描いた人体のしくみ。
体のしくみはもちろんだが、それにまつわる病気や医者ならではの経験なども盛り込まれており、とても勉強になった。
また、研究の歴史についても触れられていた。自分を実験体に使ったり、自分の排泄物を食べてみたり、首吊り死体から陰茎を切り取って勃起のメカニズムを調べてみたり、、、研究者と変態は紙一重なんだね。でも、そんな常人がドン引きするような研究があったからこそ今の医学があるのだということも知ることができた。
また、何故その機能が存在するのかとか、何故そんなことが起こるのかということを進化的な面からもアプローチをしていた。生物の起源を辿っていくことで、ヒトの体の機能 -
Posted by ブクログ
人体について、漫画を使って説明したもの。まあ取り扱っているのが、難しい内容なだけに、いくら漫画にしても難しいところはあるのではあるが、それでも他の専門書を読むのに比べたら理解は進もう。
未だに自分自身のことが分からないということはよくあることだが、それは人体のことからしてもそうなのであるから、何ら恥ずべきことではない。だからと言ってあまりに知らないのは勿体無い気がする。
それにしても木の筒に食べ物を入れて飲み込んでは吐き出すという実験や、鬱病の人の脳神経繊維を切断するなど医学の発展に関して、なんとも驚愕すべき実験を重ねた偉人がいるものだなあと、恐ろしくも思った。今の世にも、倫理的に批判さ