・ミトコンドリアは、家に住み着いた猫のような存在。
ある日、野良猫を家に入れた。一緒に住んでみると、布団に入れるし温かい。ネズミも退治してくれる。
そしてなによりかわいい。いつしか猫のいない生活は考えられなくなった。
・自然界では、物質の状態は全て乱雑さが大きくなる。きれいな部屋がいつしか散ら
...続きを読むかるように。
しかし生物は皆、無秩序さを減少させて、生体を維持する努力を続けている。
その命尽きる日まで、自然の流れに逆らう作業を続けている。
・口から肺胞までのスペースのうち、「空気の往来はあるものの、ガス交換にあずかっていないスペース」を死腔という。
口腔、鼻腔、気管、気管支である。死腔が増えれば、それだけ有効なガス交換が減少する。
漫画などで、忍者が長い竹筒をくわえて、水の中に隠れるシーンがあるが、あれではすぐに酸欠を起こす。
死腔が増えて、有効なガス交換が減少するからだ。
ヒトは、潜水服のようにヘルメット内に絶えず空気を送り込むか、スクーバのように口元に空気を送るかしないと、
水中に長時間潜むことはできない。
・「男は強くなければ生きられない。男は優しくなければ生きていく資格がない」。
海綿体とはまさに「男の強さと優しさ」そのものだ。
日頃は柔和な好青年。しかし、いざという時は鋼の体で活躍する。それがヒーローの姿だ。
・ヒトにとって「手を使う」ことと、「言葉を使う」こととの間には強い関連がある。
遠い昔、ヒトの祖先は、二足歩行で手を地面から解放し、道具を作ることを覚えた。
そして発達した大脳は、言葉を生み出し、知識を伝え、蓄えていく術を生み出した。
我々ヒトが文明を持てたのは、この「手」と「口(言葉)」のおかげ。
ヒトの頭の中には小人がいる。その小人は「手」と「口」がとても大きい。それがヒトの特徴。
・生物はこの地球で、40億年をかけて進化してきた。
我々の体は、40億年もの時をかけて完成された芸術品だ。
我々の体の中には、頭の先から足の先まで、膨大な進化の歴史が堆積している。
我々は「40億年の生命」を生きている。生きるということは、それだけでとてもすごいこと。体…ありがたや…。