佐野大介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ四書五経の四書の一つに数えられる「孟子」の入門書です。
角川ソフィア文庫の本書は入門書としてちょうど良い構成だと思います。難しすぎず、一方で孟子の思想的特徴はしっかり押さえている。解説もしっかりしています。
個人的に本書を読んで感じたのは孟子思想の現実主義性ですね。
これまで孟子と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「性善説」でしたので、てっきり理想主義的な思想書だと思いましたが全く違いました。
孟子は、人の善性は教育によってしっかりと育まれなければ悪事を犯すようになると考えていました。また「安定した収入がなければ、安定して道徳心を保つことはできない」(恒産なくして恒心なし)と説きます。その通りです -
Posted by ブクログ
「孟子」って、「性善説」ということになっているけど、孟子の思想を適切に表現したものではなさそうですね〜。
結構、現実論というか、経済政策の話し多い。
「孟子」は7篇からなる本なんですが、人間の性(本性)は、「善」であるという議論は、第6篇「告子」でやっとでてきます。(もちろん、その前にも、人間のなかにはよい部分があるという話しはたくさんでてきますが、その本質が善である、と明確に定義する文章はこの第6篇まででてきません)
で、「水が自然に高いところから下に流れるように、人間の本性は善なのだ」という有名な議論は、告子の「人間の性には良いも悪いもない。水平状態にある水がどっちの方向に流れるかは