松村嘉浩のレビュー一覧
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ヘゲモニー国家は同じような発展と崩壊のパターンを描く。第一段階は農業や工業が優位になって生産力が高まり、第二段階は商業が発展し、最後に金融業が発展する。そして、崩壊する時も農業や工業が競争力を失い、商業がダメになって最後に金融が残る。例えばオランダのヘゲモニーは17世紀末に怪しくなるが、金融は18世紀後半まで残った。
ヘゲモニー国家は自由が一番安上がりに勝つ方法なので、「自分たちのルールで自由にやろうぜ」と主張する。今でいうグローバルスタンダード。
18世紀前半のリバプールでは、多くの奴隷貿易の利潤率が100%を超え、時には300%にも及んだ。この、奴隷貿易と奴隷制の利益がもたらした資本の -
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教授と生徒の対話形式で展開されるあるある技法だが、この本中身がコレでもかというほど濃い。背景知識と分析結果に基づいた、深い示唆を得られる内容になっている。かなりの意欲作、とてもおもしろく読めて学びが深い。
世界は成長の限界を迎えているにもかかわらず、無理な成長を実現しようとしてつじつま合わせにリスクの高い劇薬的な施策を打っているのが今。
長年の歴史の中で一部の富のために虐げられてきた国や宗教、民族によるテロリズムの表出が今のイスラム国。
相当な背景知識がないとこの本は掛けないなと、読後に唸る感じ。
■読書メモ
・砂糖はイギリス人が奴隷貿易でアフリカから連れてきた黒人奴隷を酷使して作った賢 -
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ネタバレ『増補版なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?:日本人が知らない本当の世界経済の授業』では、これから世界に起きる問題・現在進行系で起きている問題から、「①これから世界がどうなるのか」。「②何が本質的な問題」で「③それに対して我々はどうするべき
なのか」の3つを著者である、松村嘉浩氏が記録したものである。
「①これから世界がどうなるのか」に関して、松村氏は、「機械の台頭」と「シェアリング
経済の拡大」をあげている。「機械の台頭」に関しては、「IT革命」によって、低賃金の仕事が機械に置き換わる変化を言っている。仕事がITによって置き換わることによって、アメリカでは、「ジョブレス・リカバリ -
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ネタバレ会話形式で書かれてはいるが、内容は非常にしっかりしており、著者の考え方にも納得感があった。
人口減少、高齢化社会というこれから世界が直面する課題に、日本が最初に直面し、世界のお手本を示せるか試されている。
さらに日本は先進国で唯一の宗教に縛られることがない多神教の国家であり、仏教やキリスト教が伝わっても受け入れてきた懐の深さを持っていることを誇りに思えた。
・失敗したら損失が大きい映画やアニメは、そうそう冒険できませんが、マンガだと新人がどんどん出てくるし、社会現象を引き起おこすことすらあります。売れるマンガは世の中の一般の人たちの心理を映す鏡でもあるの。
・なぜ、みんな(漠然と不安)なのかと -
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世界は人口減少に向かっている。開発途上国でも同様。
昔は子供は労働力になった。今は教育費がかかる。
年金制度のため、子供がいなくても将来生活ができる。
アトムが人類を不幸にする。科学技術の発達が寿命を延ばし、仕事を減らす。
セイの法則=作られたものは結局は消費される=現代は成り立たない。供給は需要を作らない。
ルネサンスの三大発明=印刷、火薬、羅針盤。中国ではもっと前からあった。
紅茶と砂糖=富の象徴。
イギリスは資本を蓄えられたから産業革命が起きた。
成長する余地がないのではないか。が不安の源。
人口が減少し、欲望が飽和し、結果として需要がなくなる。
中央銀行はお金を増やせない。