添田孝史のレビュー一覧

  • 東電原発事故 10年で明らかになったこと

    Posted by ブクログ

    あの大震災から15年近くが過ぎ、岩手や宮城では徐々に復興しつつあるように見えるが、フクシマでは復興の足音はまだまだ聞こえない状況にあるように思う。おそらく今後20年30年経っても事故以前の生活に戻れない地域が、かなりの部分取り残されるのだろう。

    本書ではこの原発事故が何故起こってしまったのかを、緻密な独自取材と裁判の傍聴記録から紐解き明らかにしている。大変な労作だと思う。

    個人的には、事故当初の「想定外」なる言葉に「そりゃそうだろうな」と安易に同調してる自分がいたが、様々な事が詳らかになるにつれて、騙されている感が強くなり、本書を読んでさらにその感を強めるにいたった。

    東電と国は2002

    0
    2025年04月30日
  • 東電原発事故 10年で明らかになったこと

    Posted by ブクログ

    話の内容の衝撃度が大きい。

    一体なんのためのエネルギー生産。一体なんのための予算。なぜ止められない!闇の莫大さを前に考えたくもない。っていう気分。
    でも、この本を読んで、思考停止にはなりたくなくなる。この時期に出版されたことも、ものすごく意味があると思う。

    3.11が起こる前に、あの場所で大きな地震が起こり得ることを表明し続けた科学者たちは、本当に本当に悔しいだろうな。教訓にしていかなければ報われないでしょう。

    0
    2023年04月04日
  • 東電原発事故 10年で明らかになったこと

    Posted by ブクログ

    裁判を通じて明らかになった霞ヶ関と電力会社の怠慢や偽りをコンパクトにまとめてくれています。原発再稼働させるには、こうした有耶無耶になっていることを明確にすべき。

    0
    2022年12月15日
  • 東電原発事故 10年で明らかになったこと

    Posted by ブクログ

     いい本だ。ジャーナリズムとは、権力やエライヤツの嘘を暴くことだ。朝日新聞にいては、本当のことが伝えられないと思ってやめたのだと思う。朝日新聞の劣化はひどいと思う。
     福島の地震・津波と原発メルトダウンについては、私はその当時中国の雲南省昆明市にいて、映像をネットで見て衝撃を受けた。そして、あまり情報がなかった。こうやって、10年経って本を読んでみるといろんなことがわかってきた。私の知識の範囲内では、非常用発電機が地下にあること自体、津波で浸水したら一巻の終わりで、明らかに設計ミスだと思っていた。そして、「想定外」ということを言われれば、なるほどそういう言い訳が通用するのかと漫然と思っていた。

    0
    2022年07月12日
  • 原発と大津波 警告を葬った人々

    Posted by ブクログ

    福島第一原子力発電所の過酷事故は想定外の津波が原因だった。
    事故以降の東京電力の言い分だ。津波以前に、地震で配管の
    一部が損傷していたのではないかとの疑問は解明されていない。

    そもそも、川に面し津波の心配のないアメリカ型の原子炉を
    そのまま日本に持って来たことが第一の誤りだと思うのだけ
    れどね、私は。

    だって、あれだけ海のそばに建つ原子力発電所の非常用発電
    装置が地下にあるってことがおかしいだろう。

    そういった基本的で個人的な疑問は置くとして、では東日本
    大震災で発生した大津波は本当に「想定外」だったのかを
    検証したのが本書である。

    東日本大震災後、貞観津波が各メディアによって取り上げ

    0
    2017年08月20日
  • 原発と大津波 警告を葬った人々

    Posted by ブクログ

     福島の原発を襲った津波は「想定外」などでは全くなく、東京電力は、全電源喪失もメルトダウンも十分起こりうる可能性として把握していたこと、そうでありながら全力を挙げて無視していたことを、明瞭に証明している本です。
     本書は結果として原発を認めない論調になっていますが、著者は初めから原発をすべて否定していたわけではありません。 著者は本書執筆まではある程度の再稼働はやむを得ないと考えていて、福島とほぼ同じ13メートルの津波が押し寄せた東北電力女川原発が、大津波対策をとっていたおかげで被害が小さく、翌日には冷温停止に至ったことを評価しています。
     しかし様々な事実がわかるにつれ、原発を否定せざる

    0
    2016年08月20日
  • 原発と大津波 警告を葬った人々

    Posted by ブクログ

    プレートテクニクス理論導入以前に設計された原発に対し、その後の知見を反映した対策を実施しなてみ済むように、東電が、政府機関と学会を取り込んで工作してきた実態が明らかにされている。福島原発を襲った津波が「想定」通りだったことがわかる。
    自身が津波対策を先送にりした吉田所長は、何を考えて、事故に向き合ったのだろうか? インタビューで触れることもなく死んでしまった。
    「経済的合理性」からは、発生時期を予想できない津波に対し、寿命が近づいた原発の補強工事など実施できないことがよくわかる。
    評価5点でも足りない。

    0
    2015年07月04日
  • 原発と大津波 警告を葬った人々

    Posted by ブクログ

    一気に読みました。多くの人に読んでほしい。ジャーナリストとしての魂のようなものを感じる本。取材や調査というのはこういうものなのかと思った。
    物事の決定がどのようになされるのか。責任逃れはどのようにして生まれるのか。膨大な資料と徹底的な取材に基づき、疑問に対して深く切り込んでいく。
    とても勉強になりました。

    0
    2015年03月09日
  • 原発と大津波 警告を葬った人々

    Posted by ブクログ

    原子力発電所の安全性評価について,電力会社によってこんなにひどいことが行われていたのかと唖然とした.ただ,著者のいうように,自分がこの立場だったらどうしただろうというのも重い問いである.

    0
    2014年12月21日
  • 東電原発事故 10年で明らかになったこと

    Posted by ブクログ

    国や東電がなぜ原発事故を防げなかったのか。その真相に迫っている。

    数万年に一度の巨大地震の正確な予測を行うことは、いくら地震工学が進歩したといえど困難を極める。
    たかがモデルだとたかを括らず、適切な対応を打っていくことが重要だ。これは電力会社に限った話ではないだろう。

    0
    2023年04月19日
  • 東電原発事故 10年で明らかになったこと

    Posted by ブクログ

    国や東電、保安院は隠蔽・黙殺・忖度を重ね、何度もあったチャンスを逃し福島原発事故は起きてしまった。そしていまも責任の所在は曖昧にしたまま新たな安全神話を構築しようとしている様子が伝わってくる。人は記憶を忘却する。だからこそ本書のように事実を記録に残し続けることが大切である。

    0
    2021年09月26日
  • 東電原発事故 10年で明らかになったこと

    Posted by ブクログ

    元朝日新聞記者で、福島原発事故発生時から原発事故を追い続けフリーとなったジャーナリストが、原発事故発生から10年の間に明らかになった事実に基づいて、何があったかを明らかにしようと試みる。

    常に経済的利益のみを追求し、様々な戦略を駆使して、必要な事故対策を怠ってきた東京電力と、やはり経済の論理に支配される権力者に阿ることによって、事業者の監督を怠り、規制を捻じ曲げてきた国家の罪は非常に大きい。そして、福島原発事故は、防げた災害であった。

    いまも安全性よりも企業の利益を優先し、ルールを捻じ曲げ、経済的合理性が疑われると温暖化という切り札を持ち出しながら、原発の推進を図る原子力ムラの行動を野放し

    0
    2021年05月29日
  • 原発と大津波 警告を葬った人々

    Posted by ブクログ

    メルトダウンに至る津波地震が発生する可能性を、東電自身は知ってはいたが、対応していなかったことは、政府事故調報告などで明らかになっていたが、何故そんなことになったかを徹底して取材して明らかにした記録。
    とても読みごたえがあった。
    特に、首藤信夫氏インタビューは衝撃的。
    建設省OBとはいえ、津波工学の第一人者が、原発会社の会社経営を忖度して「安全性」にお墨付きを与えていたとは。
    さらに、本人に後悔の念がないようなところにも驚く。
    「原発は必要」との考えに固まってしまい、科学者としての良心が後景に退いてしまったとしか思えない。

    0
    2018年01月06日
  • 東電原発事故 10年で明らかになったこと

    Posted by ブクログ

    高橋新書ガイドから。奇しくもふくしま漫画と同時に読んだ訳だけど、おかげで理解もし易かった。ここでも改めて痛感されるのは、国と大企業の不誠実さ。

    0
    2024年05月28日
  • 東電原発事故 10年で明らかになったこと

    Posted by ブクログ

    東電は「責任がない」を繰り返してきたけど、正確には「責任感がない」んだな。

    2014年8月 福島地裁 事故当時福島県内在住の親子らが子どもたちに無用な被爆をさせた責任を国や県に問う栽培
    →福島の子どもに広く超音波検査を行ったことで、治療の必要なガンが見つかった子どもたちがいる。
    そのうちの約200名の子どもたちの手術を行った鈴木眞一福島医大教授は、そのほとんどすべては手術が必要なガンだったと2020年2月14日に福島地裁の証言台で証言している。

    過剰診断のために偽陽性のガンがたくさん発見されて、かえって子どもたちに負担がかかっているなら超音波検査の是非を問わなきゃいけなくなる。
    でも治療の

    0
    2023年01月11日
  • 原発と大津波 警告を葬った人々

    Posted by ブクログ

    表題が示す通り。
    胸が悪くなるような人々。
    わが身に置き換える必要はないでしょう。サラリーマンと言えど、ヒトとしていかに生きるかは絶えず自らに問いかけて生きるべきですから。

    0
    2015年01月13日