篠原勝之のレビュー一覧
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人生こんなもんかと思ってしまった大人におすすめしたい一冊。読み終わったあとで、瀬戸内の海沿いに立っているあの鉄の塊が著者によって創られたものだと知る。決意は形にできるPosted by ブクログ
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狂い落ちるほど好きになった本。
山に篭りながら創作活動を続ける年取ったクマさんの周りで起こる、生と死に淡々と向き合う。都心に買い物に行く時などを「シチーに降りる」などという独特な文体が狂おしい程愛おしい。いつまでも健康でいて欲しい。
舞台化されたが、仕事で行けず、悔やんでいる。Posted by ブクログ -
クマさんの半生が淡々としかし骨太に描かれる。
時々現れる心の描写、情景描写が、驚くほど細やかで鮮やか。
山間での暮らし、老いた母親とのやりとり、幼い頃の記憶、ヤクザものの親類とのいざこざ…読み終えても情景が蘇ってくるよう。
スイスイ読ませるが、しっかり”残る”傑作だ。Posted by ブクログ -
「クマさん」の愛称で呼ばれる篠原勝之氏の4編の随筆を収録したもの。母親の死を扱った「蓮葬り」、舞踏家麿さんの演出した作品に出演した「戯れの魔王」は、飾り気はないが訥々としたいい作品だと思った。Posted by ブクログ
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逃げ続ける人生だったとしても、その足取りは自分のものなのだとしっかり自覚して前を向いているならば、ひとに伝わるような「生」の質感というものは失われず、書きだす文章にも根付くものなのかもしれない。等身大の姿勢で書かれた、そんな私小説だと思いました。素晴らしかったです。Posted by ブクログ
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篠原勝之氏の短編連作小説集。小説家が本業ではない氏の自伝的作品集。横暴な父親を懼れて過ごした少年時代。家出して東京で過ごした貧乏生活などが、哀愁すら感じる飾り気のない文章で描かれている。Posted by ブクログ
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自伝?私小説?のようなものである.虐待ともいえる子供時代が,大きくその後の人生に影を落としている.でも持ち前の優しさや野放図な強かさが,貧乏ながら『ゲージツ」に向かって突き進むのを支えたのがよくわかる.Posted by ブクログ
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一時期TLで話題になっていた覆面本.「ゲージツ家」のクマさんこと篠原勝之の私小説.昨日読んだ島田雅彦の本ではないけれど,それこそ自己セラピーだ.自分を肯定するために書いたのだろうな.Posted by ブクログ
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生きざまがすさまじく胸が痛くなる
自然への繊細さ、創作に対するひたむきさ
それに反して自身の暮らしへの無頓着さ
圧倒されてしまう
でも遠いところにいる人に思えてしまって
≪ モンゴルの 風に舞い散る 父の骨 ≫Posted by ブクログ -
ご存知?鉄芸術家くまさんの児童小説。昆虫や花も樹木も、人間みたいに悩んだり困ったりしない。それぞれのやり方で生き、死んでいく。和紙は森の樹木の皮を薄く薄く削いで綺麗な清流の水ですくんだ。和紙は真っ白になった森の化身なんだ。Posted by ブクログ