山口由美子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
事件当時、大きな衝撃を与えた17歳の少年による西鉄バスジャック事件。
別の17歳の少年が直前に殺人事件を起こしていた年でもあり、模倣犯が現れたりなどして世間の耳目を浴び、私も非常によく覚えている。
その亡くなった女性と共にバスに乗車していて被害に遭ったのがこの著者である。
本書には、修復的司法の言及があったり、私が非常に感銘を受けたアミティの取り組みにも触れていたり、著者に坂上香さんや山下英三郎さんとの関わりがあったりなど、少年や罪を犯した人への関わりについて、私が深く共鳴する事柄にたくさん触れられている。
著者の主張は、今私が向き合っている業務上関わりがある保護者たちに対して思うところと全く同じで、私の背中を押してもらったような感覚になった。
様々な言葉のひとつひとつが、とても温かくて寛容で、何よりまず、目の前の人物の存在そのものを尊いものとして向き合うことが、人との関わりの中で第一に大切なことだなと改めて実感した。
深く心に沁み込む言葉が多い。
読んでよかった。
また今年のベスト3に悩む…。 -
Posted by ブクログ
2000年の西鉄バスハイジャック事件で重傷を負った被害者が、加害者である当時17歳の少年を理解しようとした記録。キーワードは不登校。筆者も娘の不登校を経験していることから、居場所がなかった少年が犯行に及んだのだと推測する。事件のその後の話の中で、不登校児童の居場所づくりの話も語られる。子どもをそのままで受け入れること。親の会で話を聴いてもらうことの大切さ。居場所を作ること。一つ一つは良い話なのだけれど、全体を通して読んだ時に居心地の悪さを感じた。冒頭、事件当時の描写で、犯人の少年に対して「気」を送ったりするスピリチュアルな面にとまどったためだが、それ以外にも、犯人に居場所があればこんなことにならなかったと推測し、その論調ですべて書かれていることも気になる。本当に居場所がなくて不登校だったのが原因だったのか、不登校児童すべてが犯罪予備軍ではなく、また、親や学校に原因を探しがちな点にも注意が必要と思う。子どもは純真で周囲の影響で変わるという主張は、時として母親を追い込むことになる。筆者の娘の不登校のエピソードで、父親の関与が書かれていないことも、私の居心地の悪さの原因かもしれない。読みやすく書かれているし、少年法改正への警鐘として意味はあると思う。