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2000年5月3日,佐賀駅から福岡天神行きの西鉄高速バスが17歳の少年にバスジャックされ1人が死亡,2人が負傷した.事件に遭遇した山口由美子さんは重症を負い,恩人を喪った.その後,山口さんを子どもたちの居場所をつくる活動に邁進させた原動力は? 穏やかな筆致が胸に迫る当事者ノンフィクションの書き下ろし.
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Posted by ブクログ
事件から丸25年を前に取材された新聞記事で知った本。被害者の方が自身の子育ての経験や人生で得られた知見を踏まえ、加害少年をどのように受け止め、不登校児の居場所作りをされてきたことが書かれている。事件被害者でなくても、子どもがいなくても、ものの考え方として参考になる部分が多かった。みんな読んだらいいと...続きを読む思うよ。
西鉄バスジャック事件で被害に遭われた山口さんのお話です。 ご自身も大怪我を負い、大切な恩人を亡くし、そのような中で少年に対してもあたたかな眼差しを向けていらして、その懐の深さに尊敬の念を抱きました。 話を聞くこと、話を聞く人がいることの大切さ、そして伝えるべきことは伝えていくことの大切さが伝わっ...続きを読むてきました。
西鉄バスジャック事件のことをほとんど知らず、驚きの内容が多かった。 人の心なんて絶対わからんもんで、特に未成年であったり心に傷や先天的な闇があると正解なんて見つかるわけないと思う。 保護施設で好きなことをさせてあげるのもいいけど、同時に農業とか内職とか労働を通しての社会とのつながりとかもいい影響与...続きを読むえそうだなとは思った。
佐賀駅を発ったバスが高速に入る。立ち上がった少年。包丁を振りかざす。華奢な体つき。切迫感はない。指示に従わない乗客が切りつけられる。初めて本気であるとわかる。…「幼児室」の先生は亡くなられた。集中治療室に入った著者は回復する。少年を犯行に及ばせたものは何だろうか?殺人者にしたくなかった。自身の娘は登...続きを読む校拒否だった。そんな生徒のための”居場所”を運営する。…子供たちと向き合う。加害少年とも対話する。見えてきたものがある。気づかせねばならぬことがある。産まれなければよかった人間などいない、まだ生きていくのだと。
被害者でありながら、加害者へ同情の気持ちもある著者。その背景には、被害者自身のお子さんが不登校体験があり、またその状況を改善すべく同じ事件で唯一亡くなった塚本先生の教えがあったから。 子どもの話を聞こうと、子ども自身で解決できない面に対して目を向けていこうとする方。 ・子どもに対してある...続きを読むがままで良いという思いになっていた一方で内心もっと頑張れと期待していた
2000年の西鉄バスハイジャック事件で重傷を負った被害者が、加害者である当時17歳の少年を理解しようとした記録。キーワードは不登校。筆者も娘の不登校を経験していることから、居場所がなかった少年が犯行に及んだのだと推測する。事件のその後の話の中で、不登校児童の居場所づくりの話も語られる。子どもをそのま...続きを読むまで受け入れること。親の会で話を聴いてもらうことの大切さ。居場所を作ること。一つ一つは良い話なのだけれど、全体を通して読んだ時に居心地の悪さを感じた。冒頭、事件当時の描写で、犯人の少年に対して「気」を送ったりするスピリチュアルな面にとまどったためだが、それ以外にも、犯人に居場所があればこんなことにならなかったと推測し、その論調ですべて書かれていることも気になる。本当に居場所がなくて不登校だったのが原因だったのか、不登校児童すべてが犯罪予備軍ではなく、また、親や学校に原因を探しがちな点にも注意が必要と思う。子どもは純真で周囲の影響で変わるという主張は、時として母親を追い込むことになる。筆者の娘の不登校のエピソードで、父親の関与が書かれていないことも、私の居心地の悪さの原因かもしれない。読みやすく書かれているし、少年法改正への警鐘として意味はあると思う。
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