巌谷國士のレビュー一覧

  • 裸婦の中の裸婦
     『高丘親王航海記』に並ぶ澁澤龍彦の絶筆。最終3編を畏友 巖谷國士に託している点で、絶筆感がより深い。
     選ばれた裸婦はどの女もこの女もシブサワ好み。オブジェ化したエロスの香気を放っている。
     明らかな間違いを共著者が解説で正してくれたのはグッドジョブ。
  • 滞欧日記
    プラハを感じるために購入。
    ヨーロッパの文化財美術、古城を散策しまくる澁澤龍彦。
    日本料理、中華料理を食べ、マズッ、これはうまい、可不可無しと判断を下す。
    地料理を食べ、マズッ、これはうまい、可不可無しと判断を下す。
    注釈が一杯はいっているのも良い。
    旅のガイドブックにもなる。
    スペイン良いなぁ。
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  • 眠れる森の美女 完訳ペロー昔話集
    赤頭巾ちゃんが最終的には食べられてしまってお終い。というタイプの童話を探していた時に見つけた本。眠り姫の王子との結婚後の大変な姑とのバトルも書かれています。童話は陰惨な話をなんてこと無いような口調で語られるところがギャップがあって面白いと思う。
  • 滞欧日記
    故人の手帖を、巌谷氏かまとめたもの、らしい。食べ物のことをたくさん書いたり、一人称がころころ変わったりと、御大と呼んで尊敬していた碩学者にも、意外に身近な一面があるのだなとなんだかほくほくした。
  • 裸婦の中の裸婦
    巖谷國士さんとの共著の形をとる本作は、澁澤龍彦最期の美術エッセイです。バルテュスやクラナッハはもちろん、百武兼行にヘルムート・ニュートンの写真やギリシア彫刻の両性具有など、その視野の広さと「澁澤らしさ」には脱帽です。解説で巖谷さんの言うように、対話体を用い、軽く気ままな、独特の視点を持つ円熟した本書...続きを読む
  • 裸婦の中の裸婦
    バルチュス スカーフを持つ裸婦……幼虫としての少女。ポルノグラフィーと芸術。

    ルーカス・クラナッハ ウェヌスとアモル……背景の黒のモダン。

    ブロンツィーノ 愛と時のアレゴリー……マニエリスム。時の老人が重要。

    フェリックス・ヴァロットン 女と海……得体のしれない海。

    ベラスケス 鏡を見るウェ...続きを読む
  • 裸婦の中の裸婦
    澁澤が死ぬ直前に文藝春秋で連載していたものをまとめた書。途中、咽頭ガンのために入院を余儀なくされたため、残りの3回を巌谷國士が担当している。澁澤がいくつかチョイスした裸婦画に対し、二人で鑑賞しながらおしゃべりをするといった対話体で書かれているのもおもしろい。言うまでもなく、澁澤特有の芸術論的な無駄話...続きを読む