桐原健真のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
吉田松陰の思想の変遷過程を解説している本です。
平戸への遊学に出る前の松陰は、西洋の実態を知らず、伝統的な兵学思想を墨守する立場に立っていましたが、遊学後にはそうした態度をあらためたと著者は述べています。しかし、そこで松陰は「なにから」守るのか、という他者像を獲得したものの、「なにを、なんのために」守るのかという自己像については、いまだ鮮明な理解をもっていなかったと著者は指摘します。そして、松陰が「日本」という自己像をどのように獲得していったのかという経緯が、彼の思想と行動の検討を通じて明らかにされていきます。
本書では、松陰が水戸学者との交流を通じて「皇国」の自覚に到達し、守るべき「日本