浜口雄幸のレビュー一覧
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こころの栄養という言葉がありますが、まさに、この本のことです。
本人曰く、「読者が、、思想上歴史上芸術文学上の知識又は参考を得ようと」してはダメで、「只、浜口という人間は一体どんな人間であるか」を述べた本であると。
こんなにまっとうな政治家がいたのか!と爽やかな気分になります。
「議会演説に於いては、、必ず原稿を準備しておかねばならぬ。」
「なお答弁の場合に原稿準備の不可能なることは言うまでもないことである。」
他人に原稿を用意させ、質問が予め決まられているどこかの国の議会の異常さに気づかされます。
「今日の政治は、、、、確かに国民道徳の平均以下に堕落して」いることを認めたうえで「 -
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浜口雄幸は城山三郎氏の小説「男子の本懐」で知られる。1929年、満州事変の責任を取って、辞任した田中内閣の後を受け、民政党党首として首相に就任。ヒゲを蓄え、雄々しい顔つきから「ライオン宰相」と呼ばれ、親しまれた。
任期中は不況からの脱却を狙った金解禁、国際協調を目指した「ロンドン海軍軍縮条約」の締結がある。いずれも、これまでの内閣が避けてきた政策であり、困難なものだった。
城山氏の「男子の本懐」は井上準之助大蔵大臣とともに行った金解禁を中心に据えたもので、表題は1930年12月、東京駅で右翼青年の凶弾に倒れた際に、浜口がいったとされる言葉から取られている。浜口はこの時に受けた傷が元で、翌1 -
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軍縮条約締結、金解禁、政党政治の推進
激動の時代、山積する難局に立ち向かった
ライオン宰相が遺す率直な心情。
国家のために斃れるは本懐。
断固たる姿勢で政治に臨んだ浜口が感じる
ところを虚飾なく率直に書き綴る。新鮮な
驚きと変革へのヒントに満ちた遺稿集。
著者は本書を「ただの隋感録であり政治上
の記事を目的としていない。世間話に毛が
生えたものに過ぎない」という。
本書の原本は1931年の刊ということも
あり、文章は読みやすいとは言えないが、
ロンドン海軍軍縮会議の話や、政党政治に
関する考え方など浜口の考え方に触れる事
が出来て興味深い。
ロンドン会議につ