上田諭のレビュー一覧

  • 認知症 そのままでいい

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    「治さなくてよい認知症」を書かれた著者の第二弾。「治さなくてよい」というのは誤解を受けるのか、「そのままでいい」という、早期発見・早期治療より現状をどう受け止め、認知症の人の心にどう寄り添うかを説いた本。専門的にはパーソンセンタードケアに通じる内容であるが、具体的な対処法や考え方も書かれており、一般の人にも読みやすく良書と思う。認知症は病気であるが、医学的モデルに偏りすぎない見方が大事である。その意味では医療職、特に医師の意識変革が一番求められているのだろう。

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    2022年01月22日
  • 認知症 そのままでいい

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    ■認知症の人を支えるとき、その出発点は認知症が治らない障害だと認めること。治すことができないことを受入れ、治せない障害を持った人を支え、助ける態度を持つことがケアや介護の原点になるべき。
     さらに、治らない障害を持った人の悩みと苦しみを想像し察してその人が少しでも前向きに生きていけるように力を貸す。あるいは言葉をかけること。
    ■今問題となっている行方不明は重度の人だけの問題ではなく、家族のことも自分の家もわかり会話もできるような中等度レベルの人が出かけた先で迷いうろうろとしてしまっている状態も十把一絡げに「徘徊」としてしまっている。
     その人たちには出かける意思があり何らかの願望もあったはずで

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    2021年12月04日
  • 認知症 そのままでいい

    Posted by ブクログ

    自分としては珍しく世間の流行に乗ってインフルエンザに罹患。
    自らを布団蒸しの刑に処しながら、本書を読む。

    親が高齢化してきている自分たちにとって、避けて通れないテーマ。

    筆者は老年期の精神医学を専門とする医師。
    本書で繰り返されるのは、「認知症は不可逆なもの」で、信仰は非常にゆっくりであるということ。
    現時点では治すことはできないし、早期発見・早期治療すれば治るわけでもない。
    むしろ、早期発見を求めるあまり、それらしいわずかな様子でレッテル貼りにつながってしまう。
    家族も良かれと思って進行させないよう叱ったり指導したりするなどしてしまい、当事者との関係を悪くするだけでなく、家族の疲弊にもつ

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    2025年01月16日