ラッセル・ブラッドンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
祝・復刊!とても面白かった。1977年の作品なので、片手バックハンドが主流だったり携帯電話がなかったり、今とは違う状況も多々あるが、前半の青春編も後半のミステリ編も大変読み応えがあった。ラリーの描写もテニスファンにはたまらない内容。ウィンブルドンを舞台にした犯罪がいつ解決するのか、ラストはハラハラドキドキで読み終えた。当時のテレビ中継技術も興味深い。ツァラプキンのように綺麗に負けるかデニスンのように汚く勝つか、誰とは言わないが現役の選手に置き換えて読んだ方も多いのではないだろうか。
p65
相手方のサーブでラブ・フォーティに追い込まれると、
p86
「まだまだ、食えるところまではいってない -
Posted by ブクログ
1977年発表、プロスポーツを題材としたサスペンス小説の名編。テニスの国際大会「ウィンブルドン」を舞台に犯罪の顚末を描くのだが、本作がメインに据えているのは、若き天才テニス・プレイヤー二人が切磋琢磨し、頂点へと上り詰めていく過程だ。
豪快且つ正攻法のプレイで魅了するオーストラリアの俊英ゲイリー・キング23歳、天賦の才を持ち華麗な技術と純真な人柄で誰からも愛される亡命ロシア人ヴィサリオン・ツァラプキン17歳。この二人が図らずも出会い、テニスを通して友情を育んでいくエピソードを主軸にしており、何よりも青春小説として味わい深い。
ウィンブルドン決勝。時には相棒として数多の強敵を倒し、互いに待ち望んで -
Posted by ブクログ
ウィンブルドン大会男子シングル決勝戦。
ライバルでもあり親友でもある人気プレーヤーの両人が雌雄を決する試合の最中、要求を飲まなければ観戦中の女王と試合の勝者を殺害するという脅迫状が届く。
勝敗が決する前に犯人を取り押さえなければならない警察、お互いを守る為に終わらせられない試合。
緊迫と情熱の名勝負が熱い!
デッドリミット型のサスペンスとしては少々物足りなく緊迫感もイマイチ。しかし、その分テニスの試合は白熱します。ラスタスとゲイリーという二人のテニスプレーヤーの友情が描かれる前半が丁寧にあるからこそ、後半の試合がおもしろいというものです。
大観衆の中、自分を含めた人命とプレーヤーとしての