川口友万のレビュー一覧
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いわゆる「科学する」本の一つだが、対象がラーメンとなると妙に惹かれてしまうのは何故だろう。ラーメンに対する日本人のこだわりは揺るぎないものである。我が国が得意とする魔改造の賜物であるラーメンをいまだに中華料理と言って疑わないのがいかにも日本文化らしい。
本書では科学本を称しながら、専門的な分析はそれほどなく、筆者が足で稼いだ経験を基にして構成されている。だから、読み応えがある。
注目したのは無化調、つまり化学調味料無添加にこだわることの難しさと、それが一種の拘りの域のことであるということの指摘や、名店の味再現に賭けた食品メーカーの苦労を綴った章である。何気なく食していた家庭用ラーメンの裏 -
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読書録「あぶない科学実験」4
著者 川口万友
出版 彩図社
p171より引用
“ 手づくりのフライドポテトはすぐカビる
のに、某世界的ハンバーガーメーカーのフラ
イドポテトは8週間も腐らないという。マジか?
映像の最後でキミも自分で実験したまえ、と
いうので、わざわざジャガイモを揚げてフラ
イドポテトを自作、某国産メーカー品ととも
に比較。……てめえら、たいがいにせいよ。
3日で全部カビた。1週間で液体だ。カビの森
から王蟲が湧いて出るかと思った。噂を信じ
ちゃいけないよ、だ。”
目次より抜粋引用
“備長炭でスターウォーズごっこ
掃除機で作るホバークラフト
ダイエットコーラ大噴火
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ネタバレ<目次>
はじめに
第1章 ラーメンの味は「うま味」で決まるのか?
第2章 飲んだ後のラーメン、なぜ美味い?
第3章 おいしい「麵」とは何か?
第4章 つけ麵はなぜぬるいのか?
第5章 無化調ラーメンとは何か?
第6章 インスタントラーメンの科学
第7章 名店の味を再現しているのは誰か?
第8章 人は、なぜ「ずるずる」とすするのか?
第9章 なぜあの店に行列ができるのか?
<内容>
「ラーメン」と銘打っているが、味覚の科学をわかりやすく読み物化した本である。ただ著者の好奇心は、ラーメンをすする音や名店の味を再現している商品を追究するなど、幅広いものがある。音の話は「オノマト -
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科学を学ぶにあたって実験の意義は、学んだ現象を体感的に理解するだけでなく、現象を測定して数値化しより深く理論を理解する、学習の初期にあっては学習の動機付けとする、また実験を行うことで実技に強くなるなど、複数の学習効果が考えられるわけだが、中には本書の執筆者のように、実験そのものが楽しみという人もいるだろう。目の前で珍しい現象が理論の通りに起こっていく、それは単純に楽しいはずだ。
本書は編集方針も実験方針もアレで、一歩間違えると事故寸前のテーマもあったり、無闇に評価するのが難しい本だが(どこまでがネタかわからんからなあw)、それでも本書の提示する「自分でやってみる」という発想自体は手放しで -
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最近は小学校で実験の時間が少ないらしく、学校以外の場で理科の実験をすることができる教室が流行っているという噂を聞いたことがある。
物の変化の過程はなかなか参考書だけでは感じることが難しく、実感としての印象を記憶に残すことで、より学習効果を高めることができるので自然な流れとも言える。
ただ、そんな難しいことを言っているのではなく、単に動画サイトにアップされている(普通はあまりやらないだろう)実験を見て、知的好奇心から「自分もやってみた」というライトな感覚がこの本の魅力である。
さらに面白いのは、まさに「あぶない」実験とある意味「あぶない」実験が混ざっているところ。
例えば、備長炭