太田邦史のレビュー一覧
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源氏物語からの導入はとてもわかりやすくて、洒落ている。
全く源氏物語の例えは言い得て妙で、中身は同じでも、服によって人の雰囲気は変わるものだ。ビキニを着たら泳がないといけないし、喪に服したら派手なことは控えないといけないだろう。そのばその場の環境に合わせて、DNAの「服」が、ドレスコードのように一つの意味を持つ。
エピジェネティクスとは、DNAという情報の上位の階層に、もう一つの情報を書き込む仕組みである。
Geneticsはいわば遺伝子Geneの制御のことだ。一方、EpigeneticsはGeneticsというシステムそれ自体を制御する。 -
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全般的に難しかった。それは用語の難しさから来ているように思う。しかし、じっくり読めば、生命発現の基本的な機構は理解できる。
日本人がノーベル賞を受賞したiPS細胞やオートファジーなども出てきます。
*興味深い話題
・女性でスーパー色覚を持っている人が8人に1人いる。
・顔の形を決定する遺伝子は5つ。
・雌だけから生まれたマウス「かぐや」。
・胎児期に母親がどういう栄養を取っていたかで子どものメタボを始めとする疾患と関係してくる。
・飽食のツケはエピゲノムにしっかり記録される。
・一度は学説として否定された獲得形質の遺伝がエピゲノムを通して、世代を超えて伝わっていることが分かりつつある。 -
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分子生物学・遺伝学の専門家が、「エピジェネティクス」の世界を解説したものである。
従来、遺伝形質の発現は、「DNA→RNA→タンパク質」という全ての生物に成り立つ遺伝情報の流れにより、DNAに記録されている遺伝情報が実現した結果とされる、「セントラルドグマ」と呼ばれる原理で説明され、その形質の変化とは、遺伝情報の変化であり、それはDNAの塩基配列の変化が原因とされてきた。
しかし一方で、DNAが全く同じ一卵性双生児に後天的要因を超えた差異が現れたり、一卵性の三毛猫の模様が全く異なっていたり、ロバとウマを掛け合わせてできるラバ(雄ロバと雌ウマ)とケッティ(雄ウマと雌ロバ)が外見も性格も全く異なっ -
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最近の生命科学の発達は著しく、なかでもDNAにまつわる研究は枚挙に暇が無い。様々な病気や、障害の原因DNAが次々と発見され、素人目には、まるで寿命から知能指数、性格に至るまで、ほとんどすべてがDNAで決まってしまうような錯覚に陥る。しかし、だからといって一卵性の双生児が、まったく同じ人間に成長することはなく、例え、その一人が遺伝性の病気を発症したからといって、もう一人も必ず発症するということはない。そもそも、自分たち一人一人の身体がすでに、全て同じDNAを持った細胞の集まりであるにも関わらず、個々の細胞はまるで別々の形をしていて、種々の働きをこなしている。さてもいったい、個々の細胞のDNAはど
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分子遺伝学のホットトピックであるエピジェネティクスを紹介した一般書の中ではかなりオススメできる本.高校生物程度から解説が導入するので,じっくり読んでいけば理解できると思います.
ただし,用語は大学レベルのものがガンガン登場するので,重量感のある印象をうけるかも.読み切るのは簡単ですが,この本の内容をマスターするには教科書を読むのと大差ないほどの努力を要するかも知れません.
これまではラマルクの「獲得形質の遺伝」の否定に見られるように,生後の自分の行動や努力が,遺伝的に自分の子供へと与える影響は無いとされてきました.
しかしそうした社会的な影響もエピジェネティクスを介して遺伝的に後世まで継承さ -
Posted by ブクログ
当方にとっては難しすぎるという意味で★3つ、この本の価値では決してないと思いますのであしからず。
初心者向けか、、、大学受験で生物を選んだレベルでは、この本で言うところの初心者には当たらないものと思われる、無念、、、
ただ最後半はなかなか面白い、著者が非常に俗なレベルに話を落としてくれているからだろうな。
それにしても科学とは「我々はどこから来たのか、我々は何者か、そしてどこに行くのか」を知ることですか、自然科学は今もって学問として成立していますなぁ。
それに比べて人文系でこのような純で壮大な目的を高らかに宣言することは最早稀じゃないかな、やはり共産主義の崩壊という現実が「社会科学」の息の根を