中竹俊彦のレビュー一覧
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【目次】
はじめに
第1章 血液を観る
1-1 血球の多彩な姿
血液の固体成分 / 極小・多彩な成分 / 美しい血球像 / 赤血球の変形能力 / 鎌形赤血球症 / 赤血球の構造 / 赤血球には核がない / 白血球の姿 / 血小板の姿
1-2 血漿とその成分
血漿の正体 / アルブミン / グロブリン / アルブミン対グロブリン(A/G)比 / 血液凝固因子など
第2章 血液の循環と働き
2-1 血液の通り道
血液は最大の「臓器」 / 血液を巡らせる「圧力」と「しなやかさ」 / からだの中の上・下水道網
2-2 血液の働き
血液の六つの働き / 水分の保持 / ラクダの超能力 / -
Posted by ブクログ
一言結論:
難しい話もたくさんあったものの、分かりやすい表現と専門的知識の絶妙なバランスで読み応えのある良本。
感想:
著者が前書きで「血液の語り部」と表現している通り、正しいことをヘンにうやむやにせずしっかり伝えながらも、表現があまりに難しくなりすぎないよう配慮・努力されていて大変面白かったです。それでも分からない話は多々あったのですが、一つ一つを完全に理解しなくても血液についての理解が深まりましたし、さらに知りたい時にまた開きたいと思います。この本を通して血液や体の仕組みの素晴らしさを再認識できたことは大きな収穫でした。
個人的にとても興味深かったのは最後の章、血液の常識についてです。い -
Posted by ブクログ
酸素を運ぶ赤血球、侵入者を攻撃する白血球、傷を塞ぐ血小板。
ほとんどの人が、血液については他の臓器と違いその構成物まで知っている。
だからこそ、本書を読めば、血液について何も知らなかったということを知れるだろう。
赤血球はどうやって酸素を受け取り、どこで手放すことを決めるのか。
白血球はどうやって血中を移動するのか。
血小板はどうやって傷口に集まるのか。
単純な疑問に真正面から回答してくれるが、決して簡単というわけではなく。
例えば「血液が固まる場合と固まらない場合」のメカニズムは
内因性凝固系、外因性凝固系、12種類の因子、抗凝固の4段階のシステムを用いて解説されるし、
”二酸化炭素の運 -
Posted by ブクログ
『はたらく細胞』という血液を含めた細胞を擬人化した不思議な漫画を思い出しながら読む。本書は擬人化したり戦闘シーンのない、例え話がない通常の教養本だ。だけど、この漫画のせいか、読めば読むほど、血液細胞にも人格が宿っているような気がしてしまうのである。
それはそうとこうした本で気になるのは「健康への影響」。少しでもタメになる情報を求めて、原理的な話よりも生活に役立つ話を欲しがってしまう。
一つ例示するなら〝サラサラと流れる血液“議論。サラサラってどういう状態?と、雰囲気だけで良さげだと解釈していた事に気付く。じつは健康な血流はもともと自力で血管内を流れることができないほどドロリとしているらしい