・先行する企業の模倣の過程で、自社の強みを活かしていく方向性を検討するべきであった
・「すでに似たようなものがあるから後発に参入の余地はない」という議論はあまりに雑である。実業からは「あの会社は儲かっている。しかも欠点もたくさんあり、重要な要素であるこれができていない。自社ならある面ではもっとうまくやれる」と考えて、参入戦略を策定する。先行者がいることで「顧客が強く求めているもの」「ある程度強く求められることが証明されているコンセプト」がわかる段階で参入できるメリットがある
・マーケティング:顧客を販売の場面(ECサイト・営業など)まで連れてくる能力
・機能全体で能力を捉える
営業・マーケティング:他社より売る能力が強い
製品企画・開発:他社より優れた製品を企画・デザインできる
製造・サービス提供:他社より安定的かつ大規模にサービス・商品を提供し続けられる
マネジメント:他社より大規模かつ効率的な組織を形成し運用できる
・能力把握を行う際は、社内のメンバーのみで議論をするのではなく、顧客になぜ自社を選んでくれているのかを問うといい。「価格が安い・納期が早い」と言われたなら、それを支える製造体制及び原材料の仕入れ能力に注目し、調達や製造を担っている社員と話すことで能力を正確に把握できる
・飛び地に進出する際には、無理に「強みが生きる」というストーリーを作るべきではなく、「弱いが、必要だから行く」というストーリーにするべきだ
・差別化されている≠売れる(顧客から見て価値がある)
・スモールM&Aの大きな留意点は買収対象企業の経営陣ないし社長個人と信頼関係を醸成できるかである、スモールM&Aの対象となる企業の場合、被属人的な事業を行っているところは極めて珍しいであろう。能力の移管を実現する前に社長や経営陣が離反してしまうと、ビジネスが崩れ、能力獲得という目的が達成できずに終わる
・インサイトが深いとは「明示的に語られていないが、発生する現象を正しく言い当てられている」ということである。
・戦略の種類
成長戦略:複数の事業を組み合わせ会社自体を成長させていく戦略
事業戦略:単一の事業に関する方針を定める戦略(顧客・競合・自社の観点をすべて含む)
戦略:目標を達成するための行動指針(顧客・競合・自社の観点をすべて含む)
・事業の成功においては、決定的に重要な競争要因での勝利にしか意味がない
・重要なのは、その重要性を理解しつつも組織的な理由で先行者が投資できていない要素を狙って突撃することである
・バイトダンスの参入戦略
儲かっている・成長している企業のサービスを模倣して参入する
模倣品を企画・開発・運用することで能力獲得を進める。同時にインサイト発見に努める(この段階では競争力が低いため収益性は低い)
インサイト発見後、集中的に投資を行い競争力を確立する
・自分が売れないものは他人にも売れないことを認識し、事業リーダー自らが営業を行うべきだ
・戦略を学ぶとすぐに棲み分けや差別化を考えてしまう人は多いが、5日は正面から戦うことになる。毎回正面衝突を避け、ニッチに引きこもっていてはビジネスになり得ない。自社が先行していたとしても、いずれ模倣品から追撃される。正面から戦って勝ち続けられるような強靭な体制を構築するべきである
・「この事業はいずれ大きくなり、少なくとも10年後には異議が出るから今は耐えよう」というストーリーではなく、「短期的にも取り組む意義がある」というストーリーを作ることによって、社内から潰されるというプレッシャーを回避する
・事業創出とはそもそも困難なプロセスであるため、「困難である」という証拠を検証過程で見つけることは極めて容易い。だから困難であってもやり抜くという強固な意思が事業を立ち上げるうえでの必須要素なのである
・正確なインサイトを得るためには、顧客や先行者らとの対話を最重視する