吉田素文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
AIが既存のビジネスを効率化するだけでなく、その建て付け自体を大きく変えうる技術要素であることが理解できる1冊。一方で、本書に度々登場するウーバーの事例のように、AIファーストな企業であっても、必ずしも圧倒的な競争優位を築いているわけではないこと(マルチホーミングやネットワークのクラスタリングによる)も具体の事例をベースに学ぶことができ、AIの持つ可能性だけでなくそれを用いたビジネスの事業経済性や戦略の観点からも複合的に学ぶことができる。
AIがこれまで人が行ってきた判断を部分的にでもITシステム化できるようにしたことで、ビジネス活動における人が思考・判断することでしか行うことができなかった業務の時間・コスト的な制約が取り払われる。これによりAI登場以前には選択しえなかったビジネスモデル・オペレーティングモデルの構築が可能になった。この新たな実現可能性と、それがもたらす競争環境の変化をベースに企業の戦略を検討・推進することが重要。
このような市場・社会の変化がまさにリアルタイムで起きている現代において、その中の1プレイヤーである企業やその中の1人である自身の思考・行動を変化させないわけにはいかない。自身の立場においては技術部門だから技術のことだけを、という所属部門の役割に偏った姿勢ではなく、AIのインパクトを知る技術部門だからこそ、現況における新たな戦略の立案とそれを実現するための各論へ介入する姿勢をより強めていきたい。
ちなみにあと書きに監訳者である吉田素文先生の解説があり、これも必読。本書のまとめとして非常にわかりやすい(DXの『ふりかけ』モデル等の吉田節あり)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書は大きく分けて「仕込み」と「さばき」について説明されているが、うち
「さばき」の部分が本書の大きな価値ではないかと考える。
(「仕込み」の部分もわかりやすく役立つが)
仕込みは自分の考える量を減らしてオーバーフローを回避するものと心得る。
合意形成のステップ:
①場の目的の共有と合意(What、Where)
②アクションの理由の共有と合意(Why)
③アクションの選択と合意(How)
④事項プランのコミットの確認と共有
What→Where→Why→Howの順。
飛ばさない。途中から進めない。前提変わったらWhatに戻る。
以下はさばきについてのメモ。
・発言しないにも、論点や背景を理解できていない場合、関心がないなど様々な理由がある。
・聞く力が大切。
・対立をマネジメントする。
・論点から外れる人には、とりあえず意見を受け止め、本来議論するところに意識を向けてもらう。だめなら今話していることの必要性を問い、後で個別に聞くなどのフォローを忘れない。
・論理の三角形(主張<根拠<前提・情報)を意識。実際の議論では論理の三角形のいろいろな部分が欠落しているので、意識して整理する。
・締めで合意点、対立点を整理し、後者はどうすれば合意形成できるかを話し合う。
・感情の力を軽視しないこと。
・ファシリテーションは合気道に似ている。 -
Posted by ブクログ
縦割り組織の終わり、水平組織の始まり
2020年に書かれたとは思えないほど、今の状況を言い当てている本書。
本書はデータ統合に重点が置かれているが、今はAIをマジでビジネスの主役にするにはどうすればいい?っていう一歩進んだ論点になっている感じはする。詳しくは『強いAIによるAIファーストカンパニー』を参照のこと。
AIファーストカンパニーとは、データを中央集権的なプラットフォームで管理することによって、指数関数的な世界の変化に対応できるようになった組織のこと。具体例が、コロナ禍で爆速でワクチン開発した「モデルナ」。納得感ある事例だけど、その後モデルナどうなってるんだろう、、、
従来の縦割り型組織は判断が個別だから摩擦が生まれて、対応が遅くなってしまう。データプラットフォームで結びついたヌルヌルの水平型組織の到来を告げる預言書だ。