コンスタンのレビュー一覧

  • アドルフ

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    203年前に出版されたフランスの作家コンスタンによる『アドルフ』

    三島由紀夫が「コンスタンの『アドルフ』こそは、再読三読に堪える小説である」と言った恋愛小説。


    以前、こんなエピソードを何かの本で読んだ気がする。

    もう役目を終えたと思ったそれまでずっと元気だった老婆が「もういいかな」と言い死ぬことを選び、老衰して死んだというもの。
    この小説を読んでも、人は実は死に時というのは自分で選べもするんじゃないだろうかと。

    それほど人間の意志の力は肉体に影響するものなんじゃないかと。

    フィクションだが、
    コンスタンの実体験を織り交ぜ込んであろう物語。
    破局的な恋の行方は痛切だ。

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    2019年01月31日
  • アドルフ

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    ネタバレ

    P伯爵、T男爵、愛人、社交界。この時代のヨーロッパを感じます。それなのに話の9割は2人だけのことになります。
    これまでに読んだ多くの恋愛ストーリーは、付き合うまでが波瀾万丈で想いが伝わるとハッピーエンドです。この小説では付き合うまではかなりあっさりで、その後の2人の葛藤が話のメインとなります。アドルフの優柔不断には毎回ヤキモキしますが、終末へ盛り上げるための準備段階ですね。エレノールの一途な愛はとても心に残ります。
    今の時代の人間が読んでも、充分に心が揺さぶられる古典文学ですね。

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    2022年07月01日
  • アドルフ

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    劇的に面白かった。
    付き合って終わるのがデフォの恋愛物語だが、この作品は付き合った後別れることに焦点を置いており、とても珍しい印象を覚えた。

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    2021年04月29日
  • アドルフ

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    18世紀末から19世紀初頭のフランスの作家コンスタン(1767-1830)の唯一の小説、執筆は1806年、初版は1816年。

    本作品はフランス心理小説の先駆けと云われ、人間心理の動きをどこまでも細密かつ合理的に記述しようとしている(逆に、本作中には心理描写以外の情景描写などは殆どない)。その巧みさは見事なもので、自分自身が言語化できずにいた己の内面の運動を表現してくれているように読めて、ああ自分があのとき感じていたこと考えていたことというのはこういうことだったのか、と気づかせてくれる描写が数多くある。幸福の有頂天にあるときの表現もなるほど確かにそういうものだと思わせるが、それ以上に痛切に身に

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    2019年05月02日
  • アドルフ

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    ネタバレ

    ストーリーがアドルフの目線で語られるので、アドルフが自分の都合のいいように自分の行動や心の動きを正当化しているのが手に取るようにわかる。女性の読者は、相当不快に思う方もいるのではないかと。はっきり言って男性目線でもアドルフは救い難いやつだなと思う反面、アドルフ程ではないにしろ少なからずそういう人間的弱さが自分にも必ずあることを否定できないし、そういう弱さがあることを常に意識して、間違っても「自分はアドルフのようには決してならない」などと高を括ることはしないようにしなければならないと思う。


    【あらすじ】
    恋愛をすること自体を目的とする実験の開始 →  籠絡するつもりが気が付けば女性の魅力にハ

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    2015年03月05日