城戸久枝のレビュー一覧
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「落葉帰根」という言葉を教えてもらったのは
もうずいぶん前のことだった
その時は戦争に関する一つのキーワードとして
記憶していたような気がする
この一冊を読み進めていて
何度も蘇ってくることばが
この「落葉帰根」だった
壮絶としか言いようのない
満州からの引き上げの中
運命としかいいようのない
満州残留孤児である
城戸幹さん(孫 玉福)の半生を
辿るノンフィクション
時代が文化大革命の時代であったこともあり
想像を絶する事柄が次から次へと
襲い掛かってくる
第一部の
それだけでももの凄い衝撃的な内容である
のてすが
第二部として
城戸幹さんの娘さんである著者の久枝さんが
中国と関わって -
Posted by ブクログ
ネタバレ新聞の書評を読んで。
城戸さんの作品は2作目になる。
親しみやすい文章と感性なので。とても読みやすいと思う。
どういう経緯で書くことになったのかは、読み進めていくうちにわかっていくが、居心地の悪さを感じながらの取材というのが読み手にも伝わってくる。
途中から完全に映画監督の小林広司さんとちえみさんの話になる。
(三分の一くらいはそうかも?)
黒島についてドキュメンタリー番組を制作し、その後病気と闘いながら本にして残したい、と執筆された小林さん。
看取った後、その遺志を受け継ぐように黒島に行くようになった奥様。
黒島の歴史というよりは、何となく、お二人について書いた本のような印象に。
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Posted by ブクログ
作者がどのようにして「あの戦争」を語り継ぎたいのか、という意気込みについてはよくわかった。しかし調査が足らない。当時のことについて、資料面からの調査が全然されていない感じだし、ひとりひとりの証言者の話が薄い。
「インターミッション」とかいう言葉遣いは「あの戦争から遠く離れて」を彷彿とさせる。「あの戦争~」の語り口を語彙もそのままで繰り返しているのは、無理があるし、苦し紛れな感じがする。方法論を語りたいのだったら、城戸さん自身の私生活を入れ込むとか、調査の方法について語るとか、もっとやりようがあったのでは。小林監督が亡くなるまでの描写は読ませたが、それよりは黒島で起こったことを読みたかった。黒島