3月11日震災当日、交通機関のマヒにより帰宅難民となり、江戸川橋から大森までのおよそ18キロを徒歩で帰ることとなった著者の体験談。
18キロ、時速4キロで歩けば4時間半、たいしたことないかな、と考えてしまうがさにあらず。単なるウォーキングではない。
総ページ126ページと少ないながらも読みやすい文
...続きを読む体で一気に読めてしまう。
出先で大規模災害時に遭ったときどうすればよいか改めて考えられる一冊である。
東海地震が騒がれて久しいが、実際に都内の交通がここまで麻痺したのは終戦後では初めての事だろう。
東海地震も30年以内の発生確率が90%と言われている今日、必ずやこの事態はまたやって来る。
“自分の身は自分で守る”ことは基本。当たり前のようでいて一番疎かにしているのも事実。災害等の際、何が起きて何が必要になりどう備えるか、そのヒントが著者の体験から考えられる。
“その時”のため、難民とならずに済んだ人はもちろん、なった人も復習の意味で読んでおく価値は十分ある。
定価1400円は高めだが、一部は被災地の義援金になるということで大目に見たい。