レイモンド・P・シェインドリンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人とは何か、世界とは何か、という二つの問いへの探求が、つまり自分の中への疑問と、外への疑問が、あらゆるモチベーションであり、芸術や運動や科学であるし、どちらの問いに依存するか、というのが、理系か文系か、というような糞脳野郎の分類よりも、正しい選り分けに思うのだけど、僕はそのどちらにも興味が尽きず、で、じゃあ、人への問いへの探求の、究極は、詩と歴史とのあたりにありそうだというのが、最近勝手に思ってることで。
民族の共有する物語を宗教とするなら、イスラエル建国に、大政奉還を重ねて考えてみたりしたくなるのだけど。
まぁ、とにかく、今の世界情勢のひとつがわかりやすくなる本でした。 -
Posted by ブクログ
ブルックリンにあるハシディックのユダヤ教徒のツアーに参加し、改めてユダヤ人の歴史を知る必要があると思った。
ツアーの中で何度もトーラ(モーセ五書)が話題になったのだが、自分の勉強不足で知識が追い付かない。
モーセの十戒や旧約聖書のことはおぼろげに理解しているのだが、体系立てて理解ができていない。
本著はユダヤ人の起原から現代まで約三千年以上に亘る通史を入門書的に著したものなのでとても分かりやすい。
ユダヤ人は世界各地に拡散しているのだが、例えば、何故、ロシア東欧にあれだけの移住が起こったか、歴史を追うとその背景がよく理解できる。
ユダヤ人の歴史は迫害の連続で、途中、読むのも辛くなる程の内容なの -
-
Posted by ブクログ
シェイクスピアのヴェニスの商人を読んだことがきっかけで、なぜユダヤ人がその歴史の中で迫害され続けてきたのか興味を持ち本書を手に取った。
ユダヤ人は3000年の歴史の中、世界中で迫害され続けてきた。時に多少の信仰の自由を謳歌できたこともあったが、基本的に迫害されてきたことは一貫している。
そのように迫害されてきた民族の一部が、イスラエル建国を望むようになったのは理解できるし、3000年の時を経てそれが実現されたのは驚異的なことだと思う。
しかしイスラエル建国後に、今度はイスラエル人(ユダヤ人)がパレスチナ人を迫害するようになったことはある種の皮肉である。迫害されてきたマイノリティも、マジョリティ -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ少数民族は、国家において、景気・環境が良い時は人権が確保される。一方で、景気・環境が悪くなったときは、嫌悪の対象となり差別的な扱いを受けることを大原則として話を読み解く。
ユダヤ国家誕生の地はイスラエル。エジプト文明とメソポタミア文明という二つの大きな勢力に挟まれた小国であった。国として成り立っていたのは、BC1000ダビデ王が国家統一し、BC500頃にバビロニア人に滅ぼされるまでの間のみである。その後は、ギリシャ、ローマ、ペルシャ帝国、イスラム教、キリスト教、オスマントルコ帝国など大国の盛衰に多大な影響を受けながら、世界各地に分散して定住する。
世界各地で少数派、異教徒であったユダヤ人は -
Posted by ブクログ
様々な国の様々な国籍の人達の中に存在するユダヤ人たち。そんななか、ともすれば希薄になってしまいそうなそのユダヤ人としてのアイデンティティーを、当人たちはとても強く持ち続けてる。
それがすごく、羨ましく思えました。
自分や自分の祖先のルーツがどこにあるか語れる日本人は、そう多くはないのではないでしょうか。
そんなユダヤ人をユダヤ人たらしめる歴史を、主観を省き淡々と述べているのが本書。
とても分りやすく簡潔に書かれているのですが、エンターテイメントを目的とはしていないので、予備知識がなく、正直なところ興味もあまりない自分には、読んでいて退屈に思える部分もいくらかありました。
それでも大半は興味 -
Posted by ブクログ
ユダヤ人の歴史を知りたい
そのままの理由から、探した一冊
著者はアメリカ・ユダヤ教神学院教授であり、ラビの資格をお持ちだ
なるべくわかりやすく率直で普遍的なユダヤ人の歴史書を目指したとのこと
しかしこれはなかなか辛い読書であった
と言っても皆様が想像されるであろう理由はもちろんではあるものの、ひたすら似たような史実が延々と続くため、何度もデジャブの錯覚に陥る
しかしながらそのくらい、いつの時代も、どの地域においても迫害され差別され…と延々繰り返さていることをひしひしと実感した
またユダヤ人の歴史は古さと長さで知られた民族である
イランから地中海沿いに至る西アジア、ヨーロッパ、北アフリカ、 -