E・ネズビットのレビュー一覧

  • アーデン城の宝物

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    貴族の子孫エルフリダとエドレッド姉弟のタイムトラベル物語。子どもらしく純真なやり取りが可愛らしく物語には心が踊る。特に魔法の白モグラ・モルディワープは心に染み入る可愛らしさだ。ここのところ、人生に疲れた中年向け「ファンタジー」ばかり立て続けに読んでいたので、本物のファンタジーとはこういうものだよと目が覚めた。

    しかも、百年以上前の児童小説でありながら、近ごろのディズニー映画のように少女が主体的に冒険していて非常に頼もしい。魔女の描き方も公平であり、社会的弱者への深い共感も見てとれた。あとがきを読むと、著者のE・ネズビット氏は当時の先進的な女性だったらしく色々と納得した。そこ含めてJ.K.ロー

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    2023年10月14日
  • ロンドン幽霊譚傑作集

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    ホラー小説自体あまり読んだことがなかったけど、少し読んで好きそうな雰囲気だったから気になって購入。
    幽霊といえば、復讐のために無関係の人を巻き込んで主人公達を恐怖で狂わせたり、目に見えず触れられないことを利用して突然物を投げたりいたずらをして嘲笑ったり、そんな単純なイメージがあったけれど、今回また違った幽霊に出会えた。
    生者とは相容れない霊体の虚しさや儚さが程よく温度を取り去って、読んでいて寒さが心地よく、魂の抜けた肌に触った時の指先の冷たさを思い出した。
    静けさに身を浸したい時、また読もうと思う。

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    2025年10月25日
  • ロンドン幽霊譚傑作集

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    魔都ロンドンを舞台とした怪談集。
    …なのだが、なんだか似通った印象を受ける作品が多いのがややマイナス。
    あとがきにも書かれているが、いろんな意味で下心ある男性と、犠牲になる女性、彼らを含む三角関係…という話が多く、男性が医者という設定が共通しているものも。
    一応、ストーリーや結末は異なっているのだけれど、なんか似た感じの話を繰り返し読んだ感じが短編集&ほぼ初邦訳のお得感を削ぐ。
    とはいえ、面白い!は勿論ある。
    「物理で倒す」系の「ウェラム·スクエア十一番地」、ロンドンを象徴する「犯罪」と「降霊会」の組み合わせ「降霊会の部屋にて」、
    なんとなく美少女(ツンデレ?風味)ラノベな雰囲気のある

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    2024年12月29日
  • ロンドン幽霊譚傑作集

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    ヴィクトリア朝英国の魔都、ロンドンを舞台とした、
    幽霊譚のアンソロジー。本邦初訳の作品を中心に13篇を収録。
    ・ロンドンの地図
    ザント夫人と幽霊 ウィルキー・コリンズ
      ・・・父娘が出会った未亡人の不可解な行動と、
       邪な者への不可視な者の怒り。
    C―ストリートの旅籠 ダイナ・マリア・クレイク
      ・・・旅籠の窓を叩いた音。それは鳥か?それとも?
       そして不幸が。
    ウェラム・スクエア十一番地 エドワード・メイジー
      ・・・代々の当主たちが去らざるをえなかった邸に、蠢く者。
    シャーロット・クレイの幽霊 フローレンス・マリヤット
      ・・・生前も死してからも繰り返される愛人の訪問の恐怖

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    2024年03月27日
  • ディッキーの幸運

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    素直で、賢くて、機転がきくディッキー少年が健気でねえ…。なのでモグラたちから認められた時には、にまにまでした。どうしても2人よりも贔屓目にみてしまうのは仕方ないでしょう。
    前作の時のような、超えてる感覚は少なくて残念です。
    あとはビールおじさんとのやりとりに、いつ崩れてしまうかとはらはらでした。家具を買いそろえる際の描写が好きです。
    ダウントンアビー見ていたので、相続問題、複雑やな、と。

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    2015年01月19日
  • アーデン城の宝物

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    児童文学初のタイムトラベルものとのこと。
    年代を感じるのに、ちゃんとしたタイムトラベルで、点在する魔女や少年に驚きです。(SFには疎いので)
    挿絵で見ると、真面目でいいこぶった感じの主人公二人かな、と思いますが、読んでみるとそうでもなく。
    とゆーか青年と少女もえ!何故もっと出てこないのか。あとリチャード少年の、一族の長に借りがある、とは!?
    続編もあるらしいので、そちらでもっと出てこないか、と期待します。

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    2015年01月20日
  • ディッキーの幸運

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    『アーデン城の宝物』に登場していた
    もう一人のタイムトラベラーの
    男の子ディッキーが主人公。
    アーデン城を読んでおいた方が楽しめる。
    あちらより、つまづくところなく
    先へ先へと読まずにいられず…寝不足に。。。
    100年前のイギリスのお話。
    その頃のイギリス社会も垣間見れる。
    おもしろい。

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    2014年11月10日
  • アーデン城の宝物

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    ずいぶん昔に書かれた、タイムトラベルものの児童文学。タイムトラベルの仕方が面白い。姉弟のやりとり、宝探し、友人の謎などなど、古い城をめぐっての姉弟の奮闘ぶりから目が離せない。もう一つのアーデン本も楽しみ。

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    2014年09月19日
  • ロンドン幽霊譚傑作集

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    ネタバレ

    19世紀ヴィクトリア朝期のロンドンを舞台とした幽霊譚13編、内12編が初訳。9編が女流作家の作品のためか幽霊譚の体を採りつつ当時の女性の境遇や社会的地位を物語るような作品が多い印象。その一方で、男性作家による4編はどれも男性ならではのロマンチシズム(というか理想?)が表されているようで、その辺りの対比もなかなか面白い。全般的に三角関係が描かれている作品が多いのも特色だが、続けて読むと(またこのパターン?)と感じてしまうのも致し方ないところ。

    いわゆる“ジェントル・ゴースト・ストーリー”的なものも多く全体的に怖さ度は抑えめだが、資産家の女性との結婚のために元恋人を無惨に打ち棄てた野心溢れる青年

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    2025年10月14日
  • ロンドン幽霊譚傑作集

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    ・またである。何匹目の泥鰌になるのか。夏来健次編 「ロンドン幽霊譚傑作集」(創元推理文庫)、この手の物語の愛好家が多いのであらう。私もそれに当たるのか、何匹目かにもかかはらず私は買つた。この古風な物語にはこのまま捨て おき難いものがある。しかし、最後は忘れてしまふ。そんな物語ばかりである。本書には13編収録、 巻頭のウィルキー・コリンズ「ザント夫人と幽霊」のみ既訳あり、他の12編は初訳である。コリンズ 以外で知つてゐる人はイーディス・ネズビットぐらゐであらうか。「砂の妖精」の作者である。これ以 外の人は知らないのだが、ネズビットを含めて9人が女流作家である。意識して選んだのかどうか。たぶん意識

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    2024年05月17日
  • ロンドン幽霊譚傑作集

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    同じ編者の手になる「クリスマス」にも同じようなことを書いたけれど、怖い話を読みたいという向きには勧めがたい。エリザベス朝英国の雰囲気も込みで、古風な怪談を愉しみたい読者向け。単に幽霊が出たで終っている話が多く、登場人物に危害が加えられる場合でも、今の読者の目から見ると手ぬるい感じだ。この頃の怪談は、節度ある、そこそこの恐怖を与えることがそもそもに目的だったのだろう。そんな中、例外的に、今読んでも怖い「事実を、事実のすべてを、なによりも事実を」や、ミステリ風の「降霊会の部屋にて」あたりがお気に入り。

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    2024年03月19日
  • ディッキーの幸運

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    ディッキーが、素直で可愛い。
    男の子のチャームと健気さが。
    古き良き児童文学。
    イギリスの歴史が学べるおまけ付き。
    前作も読んでみたい。

    チリチリくんという訳語が微妙…。

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    2019年12月17日
  • アーデン城の宝物

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    ネタバレ

    読んで良かった。続編があるそうだけど、読まない。それはそうだよね。長女はかわいかったのだけど、主人公がちょっと。語り部も、あまり好まない。古色というと、あんまりなのだけど、古典にはなりきれない理由も何となく分かる。ほんのり楽しかったのだけど。

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    2015年04月26日
  • ディッキーの幸運

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    両親を失い足が不自由で松葉杖をついている少年・ディッキーは、意地悪なおばさんのもとを逃げ出し、物乞いの旅人・ビールおじさんと流浪の旅に出ます。物乞いではあっても、心うちとけあったおじさんと旅を続けるが、利発なディッキーはみんなに可愛がられる。そして、唯一親から受け継いだちっぽけなおもちゃが、彼を17世紀の世界にタイムスリップさせる。

    貧しい少年だったディッキーが、親切にしてくれた貴族と深い関わりがあったことが分かり、でぃっきーもビールおじさんも幸せな暮らしが出来るよになる。と、そう終わるのかと思いきや、意外な結末にちょっとビックリ!!
    面白く読ませるネズビットですが、現代の日本の子がこの世界

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    2014年11月11日
  • アーデン城の宝物

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    “アーデン卿いまだ十にならざるが
    九つはすでにすぎしとき
    宵の口にアーデン卿を
    アーデン塚に立たしめよ
    呪文をとなえるわざあらば
    宝みつかり幸あらん”

    1907年、アーデン家のエルフリダとエドレッドの姉弟は、先祖が隠した一族の宝物についての言い伝えを知る。

    偏屈でチャーミングなモルディワープが可愛い。

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    2014年08月01日