E・ネズビットのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
貴族の子孫エルフリダとエドレッド姉弟のタイムトラベル物語。子どもらしく純真なやり取りが可愛らしく物語には心が踊る。特に魔法の白モグラ・モルディワープは心に染み入る可愛らしさだ。ここのところ、人生に疲れた中年向け「ファンタジー」ばかり立て続けに読んでいたので、本物のファンタジーとはこういうものだよと目が覚めた。
しかも、百年以上前の児童小説でありながら、近ごろのディズニー映画のように少女が主体的に冒険していて非常に頼もしい。魔女の描き方も公平であり、社会的弱者への深い共感も見てとれた。あとがきを読むと、著者のE・ネズビット氏は当時の先進的な女性だったらしく色々と納得した。そこ含めてJ.K.ロー -
Posted by ブクログ
魔都ロンドンを舞台とした怪談集。
…なのだが、なんだか似通った印象を受ける作品が多いのがややマイナス。
あとがきにも書かれているが、いろんな意味で下心ある男性と、犠牲になる女性、彼らを含む三角関係…という話が多く、男性が医者という設定が共通しているものも。
一応、ストーリーや結末は異なっているのだけれど、なんか似た感じの話を繰り返し読んだ感じが短編集&ほぼ初邦訳のお得感を削ぐ。
とはいえ、面白い!は勿論ある。
「物理で倒す」系の「ウェラム·スクエア十一番地」、ロンドンを象徴する「犯罪」と「降霊会」の組み合わせ「降霊会の部屋にて」、
なんとなく美少女(ツンデレ?風味)ラノベな雰囲気のある -
Posted by ブクログ
ヴィクトリア朝英国の魔都、ロンドンを舞台とした、
幽霊譚のアンソロジー。本邦初訳の作品を中心に13篇を収録。
・ロンドンの地図
ザント夫人と幽霊 ウィルキー・コリンズ
・・・父娘が出会った未亡人の不可解な行動と、
邪な者への不可視な者の怒り。
C―ストリートの旅籠 ダイナ・マリア・クレイク
・・・旅籠の窓を叩いた音。それは鳥か?それとも?
そして不幸が。
ウェラム・スクエア十一番地 エドワード・メイジー
・・・代々の当主たちが去らざるをえなかった邸に、蠢く者。
シャーロット・クレイの幽霊 フローレンス・マリヤット
・・・生前も死してからも繰り返される愛人の訪問の恐怖 -
Posted by ブクログ
ネタバレ19世紀ヴィクトリア朝期のロンドンを舞台とした幽霊譚13編、内12編が初訳。9編が女流作家の作品のためか幽霊譚の体を採りつつ当時の女性の境遇や社会的地位を物語るような作品が多い印象。その一方で、男性作家による4編はどれも男性ならではのロマンチシズム(というか理想?)が表されているようで、その辺りの対比もなかなか面白い。全般的に三角関係が描かれている作品が多いのも特色だが、続けて読むと(またこのパターン?)と感じてしまうのも致し方ないところ。
いわゆる“ジェントル・ゴースト・ストーリー”的なものも多く全体的に怖さ度は抑えめだが、資産家の女性との結婚のために元恋人を無惨に打ち棄てた野心溢れる青年 -
Posted by ブクログ
・またである。何匹目の泥鰌になるのか。夏来健次編 「ロンドン幽霊譚傑作集」(創元推理文庫)、この手の物語の愛好家が多いのであらう。私もそれに当たるのか、何匹目かにもかかはらず私は買つた。この古風な物語にはこのまま捨て おき難いものがある。しかし、最後は忘れてしまふ。そんな物語ばかりである。本書には13編収録、 巻頭のウィルキー・コリンズ「ザント夫人と幽霊」のみ既訳あり、他の12編は初訳である。コリンズ 以外で知つてゐる人はイーディス・ネズビットぐらゐであらうか。「砂の妖精」の作者である。これ以 外の人は知らないのだが、ネズビットを含めて9人が女流作家である。意識して選んだのかどうか。たぶん意識
-
Posted by ブクログ
両親を失い足が不自由で松葉杖をついている少年・ディッキーは、意地悪なおばさんのもとを逃げ出し、物乞いの旅人・ビールおじさんと流浪の旅に出ます。物乞いではあっても、心うちとけあったおじさんと旅を続けるが、利発なディッキーはみんなに可愛がられる。そして、唯一親から受け継いだちっぽけなおもちゃが、彼を17世紀の世界にタイムスリップさせる。
貧しい少年だったディッキーが、親切にしてくれた貴族と深い関わりがあったことが分かり、でぃっきーもビールおじさんも幸せな暮らしが出来るよになる。と、そう終わるのかと思いきや、意外な結末にちょっとビックリ!!
面白く読ませるネズビットですが、現代の日本の子がこの世界