小林和彦のレビュー一覧

  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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    面白かった。著者は、記憶力もよく、明晰な文章を書く頭のよい人だと思う。それゆえに、物事を深く考えすぎると、妄想・幻覚にとらわれてしまうのかなあと思った。そうすると、統合失調症等の精神疾患は、誰にでも起きうるのかもしれない。ただ、少し触れられているように、著者が仕事に行き詰った挫折感やストレスから心理的に「逃げた」ことが症状につながったのかはどうかを知りたかった。また、文庫版の校了は2011年の下半期らしいので、柏崎に在住している著者が3・11をどう見たのか、何を感じたのかも書いて欲しかった。

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    2014年07月29日
  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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    この本の中で印象に残った言葉として「頭がおかしくなっていることを、おかしくなっている頭で理解する事の困難さを分かってもらえるだろうか」という切実な訴えがある。このように平時では非常に客観的に物事を捉えられているのがまず凄いと感じたが、その分症状が強く出た後静まってからが辛いだろうなとも思う。しかしそんな中でも細かく日記をつけ、最終的に本として出版できるまでにまとめたのは凄い。しかも文章がとても読みやすくすらすら読んでしまえたことにはとても驚いた。

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    2014年03月18日
  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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    元々東郷室長賞というタイトルで出ていた作品。今のタイトルと端書に惹かれて購入。
    精神障害を抱える人は、責任能力がないとして罪に問われないとか、電車の中でやたらと騒いでる、とかそんなイメージしかなかったものの、もう少しそれ以外の部分についても触れることが出来た気がする。

    多少でも理解を深めて、自分側に、そういった人を受け入れられる心の準備のようなものが出来ればなあ、といったところ。

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    2014年01月28日
  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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    統合失調症の妄想着想を甘く見ていた。こんなこと、一日でも経験したら、私なら疲れて三日は寝込んでしまう。「薬は幻覚妄想とともに創造性も奪っていった」という言葉が切ない。

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    2013年11月30日
  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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    筆者は早稲田のアニメ研究会からアニメ制作会社に就職し「タッチ」の絵コンテなどを担当するようになったものの、仕事のせいなのか、元々の性格によるものなのか、統合失調症になり、誇大妄想的な発言が増え、遂には入院する。その後、退院し復職したり、父親を手伝ったりして社会生活を送るようになった時期があるものの、数年後には再び発症して入院。その後も入退院を繰り返し、今はグループホームで暮らしているという。
    その本人が当時の記憶や日記などを元に、その当時自分はどう感じ、考えていたかを書き綴っている。
    「タッチ」の就職してアニメ制作を担当したという事からも、世代的には自分とほぼ同じくらい。
    そういう筆者が二十代

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    2013年08月02日
  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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    統合失調症を内側(本人)から観察したルポ。

    病状の変遷も興味深いけど、思考がおもしろく、そんなに昔に書かれた感じがしない。
    特にパラダイムシフトのことや、新しい価値観と新しい幸せで生きていく話しは震災後に書かれたのかと思えるくらい。

    アニメ会社に勤めていた人なので関わってた実際の作品もしばしば出てくるので、好きな人にはそれも面白いかも。

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    2013年06月23日
  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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     幼女殺人事件の方は容疑者が「モヤモヤとした、とめどもない高鳴りが一気に爆発し」と犯行声明で語っていたが、僕には”とめどもない高なり”という精神状態がよくわかるような気がした。自分もそうだったから。だがその次の段階の殺人と言う行為と精神科に逃げ込むという行為の差は世間の人々に認めてほしいと思う。

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    2013年04月30日
  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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    (主に)統合失調症の方の日記のようなもの。
    急性期のパニック(のような)の時はきっとご本人はとても辛いのではないだろうか。精神障害者とその中から犯罪を犯す人は違うので一緒にしないでほしいとのこと。なるほど。
    精神障害者にとって大事なのは、自殺しないこと、他者を傷つけないこと、だめだと思ったらすみやかに精神科に入院すること、だそうだ。なるほど。
    病気の人と、病人の家族が大変なのはきっとどの病気も同じですね。
    精神障害者への偏見云々の話は、作者も少し触れていたポイントですが、精神障害者と、その中から犯罪を犯す人の違いというかその辺りが分かっていないからではないでしょうか。

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    2013年04月08日
  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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    統合失調症を発症したアニメーターのノンフィクション。論理が脳内で加速してその回転に耐えられなくなるリアルな様子が恐ろしく引き込まれる。
    悟りと狂いは紙一重だという本人の認識にも納得できた。

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    2013年02月27日
  • ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―

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    統合失調症を患った著者が、自らの人生、病気について語った本。

    発病した時のことが細密に描写されており、参考になった……というか、おもしろかった。

    はっきりいって、読むのがとても大変だった。自分も引き込まれて正気を失ってしまいそうで。
    私自身がニューサイエンスやラヴクラフト、コリン・ウィルソンなど、著者と共通する読書体験が多いからというのもあるかもしれないが。

    また、本にはほとんどでてこなかった、家族の苦悩について思いをはせたり。

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    2013年02月11日