小田富英のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
友達から贈ってもらった本です。
デジタルでハイテクノロジーで、事実に基づいた正確な(もしくは正確にみえる)情報が、常識の大部分を占めている今では、全く考えられないような奇譚が詰まっていました。とっても面白かった…!
山男・山女にしろ天狗や化けぎつねにしろ、人間ではない何かがこの世にいたとしか思えない物語ばかりだったけれど、今も遠野にいけば会えたりするのかな。
実際に相対するのは怖いけれど、理屈じゃ片付かない現象と共に生きる世界は、孤独ではないじゃないかなぁと思ったり。
成人年齢もそれなりに過ぎた今読むと、非現実的で幻想的なお話のようにも感じましたが、小学校のころなんかはこんな不思議な現象がもっ -
Posted by ブクログ
原文では理解しにくい遠野物語を口語訳で内容をわかりやすくしているのはとてもありがたい。
山男や天狗、狐、産鉄族、遠野に根付く神々にまつわる伝承が一つ一つ興味深く、「ありえないなんてことはない」という妖しげな浪漫に満ち溢れている。
実際、東北の山々は人間が知り得ない未知の世界が広がっているのでは?と感じてしまうほど広大で深く、明治期という近代にあってもこのような話が起こることに違和感はない。死者の霊や妖怪のような存在、神々への畏怖が背景にはあるはずであり、そういった意味でやはり民俗学は面白い学問だと思う。
遠野物語、イーハートーブ、吉里吉里人と独特の世界観を生み出してきたこの土地の摩訶不思議 -
Posted by ブクログ
本書は、民俗学者・柳田国男が発表した『遠野物語』を、岩手県遠野に生まれ、遠野市内の小学校校長を務めた佐藤誠輔(1928年~)氏が口語訳したものである。1992年に初版、2013年に改訂新版が出版され、2014年文庫化された。
柳田国男(1875~1962年)は、兵庫県に生まれ、東京帝大卒業後、農務官僚、貴族院書記官長等を務める傍ら、全国各地を訪れて民俗調査を行い、日本民俗学の祖と称される。
『遠野物語』は、遠野地方の民話蒐集家・小説家であった佐々木喜善により語られた遠野地方に伝わる逸話・伝承を、柳田が筆記・編纂し、1910年(明治43年)に発表されたもので、日本の民俗学の先駆けとも称される作品