山本茂実のレビュー一覧

  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    ネタバレ

    のうみ峠。冒頭からのけぞらされる。すごい本だった。データ量がすごすぎる。工女の故郷で女工哀史というと怪訝な顔をされるというのはとても納得。どれだけ犠牲になったか,頭を垂れるしかない。映画を観ようと思う。

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    2025年10月05日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    明治〜昭和初期の工女たちに寄り添い、その知られざる日々の生活に迫った記録文学。著者のヒューマニズムと、当時を知る先人たちの膨大な証言が、本書全体を人間味溢れる温かい作品に仕上げてくれている。工女を襲った悲劇だけに終わらず、「工場側・経営者側はどういった状況だったのか?」まで掘り下げてくれているのも先進的である。興味深かったのは著者が取材した際、工女の多くが誇らしげに証言してくれたというエピソード。辛く苦しい工女生活であっても、そこで仲間達と懸命に生き抜いた思い出は、美しい記憶として色褪せないのである。
    明治時代の息づかいを間近に捉えることができる、歴史好きにはたまらない一冊。最高でした。

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    2022年02月06日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    映画やドラマは見たことは無いですが、話だけは聞いていました。雪の深い峠の山道を小さな女の子たちが仕事のために死に物狂いで歩き、そして死にそうになるくらいまで製糸工場で働かされるというお話だと。

    こういう聞いていた苦労話と違って、当時の日本の歴史的背景が詳しく書かれていて、明治維新から世界へと進出するための経済的費用をまかなうためでもあったということも知れて勉強になりました。そして当時の日本人の勤勉さに改めて頭が下がる思いがしました。

    一方で、やはり今のように労働基準法、安全衛生法などといわれる世の中ではなかったため、想像以上の職場環境、生活状況だったことも分かりました。

    当時の日本経済や

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    2020年10月26日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    悲しい。でも約100年前の工女さんたちが今の日本の基盤を支えてくれたのだなぁとありがたく思う。
    外部から見たら悲惨な環境に見えても、当事者たちは意外とそうは思っていなく、むしろ感謝しているフシもあるという点は、現代のサラリーマン生活にも似たようなものを感じる。(当時に比べて現代は格段に恵まれているが。。。)

    現在の新興国からのニュースでも、本書と似たような状況が報じられている。近代化するのに通らなくてはならない道なのだろうか。

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    2014年01月11日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    雪と氷の峠を越えて生糸紡ぎに励んだ女工哀歌。壮絶な生き様が描かれるが、明治大正の飛騨の娘たちにとっては生きるための必然だった。現代で言えば残業過多のサラリーマンか、あるいは日本人のために魚の骨をとるアジア諸国の女工さんか、はたまたミニカー組立の。。。

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    2012年09月07日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    少しでも家族の助けになる為に過酷な製糸工場で働き続けた少女たちの史実。

    「稼いだお金を生活の足しにしたい」「家族の喜ぶ顔を見たい」と思う少女たちの純粋な気持ちが文章から滲み出ています。
    しかしその純粋な気持ちと裏腹に収益のほとんどは戦争の資金に使われている残酷さ。

    教科書には戦勝と産業革命で明治時代の日本が急成長した事ばかり書かれていますが、その陰で過酷な労働環境、ペナルティで増える借金を抱え最終的に結核で命を落とした少女たちのこと忘れてはいけない。


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    2025年07月12日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    どういう経緯で読もうと思ったのかもう忘れてしまったけど、戦争時代に勝利を築けたその影には女工たちの犠牲があったことを知り、心が苦しくなりました。

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    2025年03月01日
  • 松本連隊の最後

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    野麦峠で著名な筆者が丹念な取材を通じて明かした松本連隊の悲劇。市井の人々がいつの間に戦争に巻き込まれ悲惨な最期をとげる恐ろしい実話。

    昔の軍隊の本籍地ごとの徴兵。歴戦の連隊旗を象徴とした連隊の悲しい最期を丹念に描く。戦死というよりほとんどが餓死、病死という事実が胸に来る。

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    2023年09月21日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    小説かと思ってましたが史実書でした。
    工場で朝から晩まで1年間働いた報酬が
    上履き1足とか何も無かったとかは、
    ちょっと考えられない。しかし、女工さんに
    してみれば米のご飯を食べられるだけマシと
    いう方もいたらしい。
    今では考えられない労働環境や条件は想像を
    絶する。
    読み終わった後は、自分の仕事の辛さが大した
    事のないような気がして感謝の気持ちと
    頑張ろうという気持ちが湧いてきました。
    著者が靴を何足も履き潰して探しまわった話は
    とても興味深かったです。

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    2023年10月11日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    ネタバレ


    プロレタリア文学の金字塔と言われた
    小林多喜二の「蟹工船」を読んで
    すっかり打ちのめされたのも束の間

    蟹工船が男の世界であるなら
    女の世界でも、悲惨な労働環境があったのではないかと
    単純に思ったのがきっかけ

    そう言えば、昔TVでやってた「あゝ野麦峠」
    殆ど内容は覚えてないけど
    幼心に、そこはかとなく漂う悲惨さがあったなぁーと



    開国間もない、明治から昭和初期にかけて
    富国強兵の国策の元
    有力な貿易品であった、生糸の生産を支えた
    工女達を描いたノンフィクション作品

    諏訪湖を中心に、次々と建設された製糸工場
    地元である長野を始め、近隣の県からも
    多く糸引き工女が集められた

    北アルプス

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    2020年08月27日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    持たざる日本が外貨を稼ぐにはここまでしなくてはならなかったのか、と改めて。女工哀史は小学校の社会科で初めて知ったが、富岡製糸場を実際見たのはつい最近。峠を越えるという言葉を実感出来る話だった。

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    2017年02月04日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    正確な表題は『あゝ野麦峠 -ある製糸工女哀史-』
    (1968)

    山本氏の主張には共感できる。
    製糸女工史を、単なる哀しい出来事として記憶してはならない。確かに、女工の中には辛い思いをした方もあっただろう。しかし、彼女達のその経験を悲惨な昔話として捉えてはいけない。むしろ、未来に対する重要な教訓として、彼女達の汗と涙に溢れる経験は積極的に語り継がれて行くべきだ。それこそが、当時を生きた女工さん達の努力を無駄にさせないための、私たちのやるべきことである。

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    2019年09月28日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    「ああ、飛騨が見える……」
    故郷を前に野麦峠で死んだ若き製糸工女みね。富国強兵政策に押しつぶされていった無数の娘たちの哀しい青春を描く、戦後ノンフィクションの名作。

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    2012年04月23日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    中学1年の時に読んだ所為か、記録のように淡々と書かれていたせいなのか、あまり悲劇性を感じなかった分、なにか頭に引っかかる一冊。私の中のこの時代に対するイメージは、この一冊がベースとなっているといいかもしれない。

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    2009年10月04日
  • ヤマケイ文庫 喜作新道 ある北アルプスの哀史

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    北アといえば観光地、登山だけども猟の場所だったことが、パッと脳内変換できない。
    「北アでは熊をやらないものは猟師とは言わない」

    猟の表現が無駄がなくて
    生き生きしてすばらしい!

    喜作の死に方について、山で雪崩に巻き込まれたが、猟が上手くて羨ましがられていたから、わざと助けなかっんじゃないか?とか疑惑があったらしい。

    殺生小屋の所有権について。懸命に作った殺生小屋だが、喜作死後、家族に権利は与えられず出資者のものになってしまった。抗議しても無理だった。

    喜作新道には喜作のレリーフがある。殺生小屋も寄らせてもらった。現代の快適な登山の裏に喜作らの活動があったことを知れる本でした。喜作たち、

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    2024年11月17日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    先日、富岡製糸場に行ったときに、製糸場説明ツアーに参加していた女性が、ツアー員に質問していた。
    「女工は「ああ野麦峠」みたいな感じで働かされていたのですが?」
    「いいえ、富岡製糸場は他のお手本となるように作られた工場なので、労働時間は長くはなかったし、仕事後女工に学問などを教えるなどをしていたのですよ」
    聞いたことはあり、有名な本だとは思うが、読んだことなかったな「ああ野麦峠」

    小説かと勝手に思っていたが、明治時代の女工の証言をまとめ、どのように働いていたかの資料になっている本なのだなあ。逆にそのころの女工の生活、思いが生々しく語られており、興味深い。

    明治の文明開化は電話、汽車、軍艦と多

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    2022年08月12日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    大竹しのぶの映画のイメージが強くて(予告編のみ)、悲惨な境遇の女工さんの物語かと思っていた。

    360人を超える聞き取り調査や、飛騨や信州へ何度も足を運んでのルポルタージュだったのですね。

    資本家に搾取された労働者としての一面だけでなく、飛騨に残るよりはマシと考える、または是非とも製糸工場で働きたいと望む人達がいたというのは驚きだった。

    それは飛騨という特殊性もあるかもしれないが、世界を意識しだした日本が置かれていた脆弱さが背景にあるのだろう。

    残念なことに、紆余曲折を経ながらも、結局彼等の労苦を通して獲得された外貨が、最終的には海の藻屑となってゆく軍艦に姿を変えていってしまった。

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    2016年11月22日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    富岡製糸場が世界遺産に登録されて以来、気になっていたので読んでみた。

    女工として働いていた人たちへのインタビューを重ねた、とても丁寧につくられた本でした。読む前は、人身売買に近い形で工場へ連れていかれ劣悪な環境で働かされる、というイメージだけを持っていましたが、貧しい村の生活から逃れるために自分から進んで家を出て働きに行ったものがいたことや、高額の報酬を得て誇らしい気持ちで故郷に帰った思い出など、想像もしなかったことが語られていました。また、経営者側の状況や、当時起きたストライキの様子など知らないことだらけで、もっと早く読めばよかったと思っています。

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    2016年08月06日
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史

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    歴史の証言という意味では名作だろうが、純粋にノンフィクションとしてみた場合にはお世辞にも美文とは言えない、この辺が昔の社会科学およびその周辺の書籍の最大の欠点。
    産業勃興時の弱者の惨状は産業革命時のイギリス然り、資本主義の本質が如実に表れているのだろう。昨今のアジアでの労働争議の本質も基本的には同じで歴史は繰り返されているように思われる次第。

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    2012年12月24日